AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

Book

ブログを毎日書け/ノンフィクション『ファスト&スロー』感想

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』を読み終えたので、感想を綴ります。 ファスト&スロー 我々の直感は間違ってばかり? 意識はさほど我々の意思決定に影響をおよぼしていない? 伝統的人間観を覆す、ノーベル経済…

推理小説談議/小説『掟上今日子の家計簿』感想

西尾維新による小説『掟上今日子の家計簿』を読み終えまして、その感想を綴ります。 掟上今日子の家計簿 眠るたび記憶がリセットされる名探偵・掟上今日子。引き受けた事件は即日解決の彼女のもとに、今日も悩める刑事からの難題が舞い込んだ。呼び出された…

思い出の中から飛び出す/小説『撫物語』感想

西尾維新による小説『撫物語』を読み終えまして、その感想を綴ります。 小説『撫物語』あらすじ かつて神様だった少女・千石撫子。夢を追い、現実に追いつめられる彼女は、式神童女・斧乃木余接の力を借りて、分身をつくることに成功する。しかし4人の「撫子…

原作漫画からの改変/映画『バクマン。』感想

映画『バクマン。』(2015年)を見まして、その感想をまとめてみます。 映画『バクマン。』 原作・大場つぐみ、漫画・小畑健、『DEATH NOTE』のコンビが送り出す現代の「まんが道」ともいえる「バクマン。」は、2008年より週刊少年ジャンプにて連載を開始。…

2016年7月の読書リスト

シリーズものの読書を並列して抱えすぎており、新書を手に取りにくいのをなんとかしなければ、と思い悩んでいるこの頃です。 01. 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選(フィリップ・K・ディック 大森望) 小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選) 作者: フィリップ・…

映画の期待値を上げる/小説『君の名は。』感想

新海誠による小説『君の名は。』を読み終えまして、その感想をまとめてみます。 新海誠 1973年生まれ、長野県出身。2002年、個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。同作品は、新世紀東京国際アニメフェア21「公募部門優秀賞」をはじめ多数の賞を…

2016年6月の読書リスト

本を読むのはどこでもできるタイプですが、本の感想をまとめるのには、特定の場所とまとまった時間が必要な自分です。本は次々に読めますけど、頭の中に感想が書き出せずに溜まりがちなのがちょっと苦しいです。 十二夜 (岩波文庫) 作者: シェイクスピア,SHA…

森ワールドはまだまだ続く/小説『φは壊れたね』感想

森博嗣の小説『φは壊れたね』(2004年)を読み終えまして、その感想をまとめてみます。 まず『φは壊れたね』、そして森博嗣について。 D2大学院生、西之園萌絵(にしのそのもえ)、ふたたび事件に遭遇。密室の宙吊り死体!森ミステリィ新シリーズ!! おもち…

太るためのプロテイン/2016年6月の短文集

・見方の補正 普段はよく洋画SFを見ているのですが、その合間に恋愛映画を挟むようにし始めました。たぶん自分だけの傾向だと思うのですが、SFばかり見ているとどうしてもそのテーマとか設定とかガジェットに注目が過ぎてしまい、登場人物への移入があまり起…

“伊坂っぽさ”全開/小説『ガソリン生活』感想

伊坂幸太郎による小説『ガソリン生活』を読み終えまして、その感想をまとめてみます。 伊坂幸太郎 1971年生まれ 千葉県松戸市出身 宮城県仙台市在住 東北大学法学部卒業 受賞歴 1996年 第13回サントリーミステリー大賞佳作(『悪党たちが目にしみる』、大幅…

分かる人には分かる本/新書『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』感想

海猫沢めろんによる新書『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』を読み終えまして、その感想をまとめてみます。 海猫沢めろん 名前 海猫沢 めろん(うみねこざわ めろん) 職業 文筆業 生年月日 1975年3月14日 大阪生まれ 血液型 A型 魚座 高校卒業後、紆余…

2016年5月の読書リスト

乱読派なので、リストに一貫性はありません。 ノーゲーム・ノーライフ1ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫J) 作者: 榎宮祐 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー 発売日: 2012/04/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ…

誰も幸せにならない/小説『掟上今日子の婚姻届』感想

西尾維新による「忘却探偵シリーズ」の新刊『掟上今日子の婚姻届』を読みまして、その感想をまとめてみます。 まず「忘却探偵シリーズ」について。 事件は今日中に解決します――そして、明日には忘れます 眠るたび記憶がリセットされる白髪の名探偵・掟上今日…

現場研修/2016年5月の短文集

・現場研修 就職先で座学の研修が終わり、工場内での現場研修が始まりました。自分は自身の精神面を上手くコントロールできると自負しているのですが、工場内の異様な環境のせいか、それによるストレスのせいか、肌が荒れてかつニキビができてきました。仕事…

2016年4月の読書リスト

社会人になりまして、新しい環境で読書を続けるのか、自分でも興味津々だったのですが、今のところ本を読む時間が確保できていて、むしろ学生時代よりもよく読んでいるくらいです。この状態をなるべく継続してゆくためにも、今月の読書をリスト化してみまし…

紙と電子と/小説『新世界より』回想

先日、貴志祐介による小説『新世界より』を読み終えました。単行本は2008年の発売でSF大賞を受賞し、漫画・アニメのメディアミックスもすでに行われました。近年のホラーSF系における名作です。 今回の話は『新世界より』を中心とした、その読書媒体について…

積読本のリスト

日頃の読書はスローペースですが(約1冊/1週)、継続して行っています。しかし気がつくと、まだ読んでいない本が部屋の隅に積まれていました。今回は自戒を込めて、その、購入しただけで読んでいない積読本(積毒本;つんどくほん)をリストアップして、で…

大場つぐみ・小畑健コンビの最新作『プラチナエンド』2巻までを整理してみる

『DEATH NOTE』・『バクマン。』を手がけた原作:大場つぐみ・作画:小畑健の最新作『プラチナエンド』2巻を読み終えまして、自分用に色々と綴ろうかと思います。 ます当漫画のあらすじについて。 「私が“生きる希望”をあげる」架橋明日は家族を事故で失い、…

物語深化の原点/アニメ『ギルティクラウン』回想

アニメ『ギルティクラウン』のBlu-ray BOXが2016.4.27に発売予定です。その知らせを聞いて懐かしく思い、色々と当シリーズを見直しました。今回の話はその個人的な回顧と想察になっています。 まず『ギルティクラウン』がどんな物語かといいますと、 2029年…

アニメと漫画の比較/交響詩篇エウレカセブン

漫画『交響詩篇エウレカセブン』(2005~2007年・全6巻)を今更ながら読みました。 オリジナルアニメ『交響詩篇エウレカセブン』の漫画版メディアミックスなのですが、そのストーリーの整理をいつかしたいなと、アニメを見た当時から思い抱いていて、ちょう…

私の終りとハードボイルド・ワンダーランド

エレベーターはきわめて緩慢な速度で上昇をつづけていた。 おそらくエレベーターは上昇していたのだろうと私は思う。 しかし正確なところはわからない。 あまりにも速度が遅いせいで、方向の感覚というものが消滅してしまったのだ。 あるいはそれは下降して…

『掟上今日子の備忘録』ファンの置手紙

主演:新垣結衣によるドラマ『掟上今日子の備忘録』放送終了お疲れさまでした。 やや遅れたものの、原作小説を読んだ上で当録画を見通しました。 自分なりの備忘録として感想を綴ろうかと思います。 まず、小説『掟上今日子の備忘録』から始まる「忘却探偵シ…

進化論を引用するNARUTO外伝

『NARUTO-ナルト-外伝~七代目火影と緋色の花つ月~』を読みまして、 かなり面白かったのですが、少々腑に落ちない部分もありまして、 それとなく綴ることで自分なりに整理しようと思います。 外伝のあらすじは、忍者による大戦が終わって平和がしばらく続いた…

木下是雄『理科系の作文技術』

猫町倶楽部・名古屋アウトプット勉強会という読書会の課題本で、 木下是雄『理科系の作文技術』を読みました。そしてその内容をまとめてみました。 物理学者で、独自の発想で知られる著者が、理科系の研究者・技術者・学生のために、 論文・レポート・説明書…

読書量、しいては

あまり誰かに見せていい話ではないけれども、 書ききらないと僕自身がスッキリしないというのが1番大きな理由で、 2番目は僕の書くスピードがあまり早い方ではなく、 つまり、ある日の話として仕方なく見せざるを得ないかもしれないから、 やっぱり書く必要…

ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来』

猫町倶楽部・名古屋アウトプット勉強会という読書会の課題本で、 ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来』を読みました そしてその内容をまとめてみました。 家庭か仕事か――あなたはまだ悩んでいる?モーレツサラリーマンも今は昔。 日本でも「組…

ミシェル・ウエルベック『素粒子』

猫町倶楽部・名古屋文学サロン月曜会という読書会の課題本で、 『素粒子』(ミシェル・ウエルベック)を読みました。 そしてその内容をまとめてみました。 人類の孤独の極北に揺曳する絶望的な“愛”を描いて重層的なスケールで圧倒的な感銘を よぶ、衝撃の作…