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20代の工場作業員だってこんなことを考えている

Book

新書『動物化するポストモダン』感想

東浩紀による新書『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』を読みまして、感想を綴ります。 哲学の本でもなく、社会学の本でもなく、文化研究でもなく、サブカル評論でもなく、社会評論でもなく。 浅田彰と宮台真司と大塚英志と岡田斗司夫とフラッ…

新書『人工知能とは』感想

人工知能学会監修による新書『人工知能とは』を読みまして、感想を綴ります。 人工知能とは・あらすじ 本書は、2013年1月から2015年1月の全13回にわたって、人工知能学会誌『人工知能』に掲載されたものを修正した上でまとめたものです。学会誌では、学会員…

カフカ『城』感想

ある程度に読書に慣れてきて、その批評を読んでいたり、読書家同士で会話していたりする際に、何気なく登場しやすいのはカフカの『城』だと思う。カフカは数多くの、登場人物たちがどれだけがんばっても報われない「不条理小説」を綴ってきたけれども、とり…

小説『二重生活』感想

小池真理子による小説『二重生活』を読みまして、感想を綴ります。 二重生活・あらすじ 大学院生の珠は、大学時代のゼミで知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「何の目的もない、知らない人の尾行」の実行を思い立ち、近所に暮らす男性、石坂の後をつけ…

母に読書

最近、母親に読書を勧めるようになりました。 理由は、母が読む本を欲しているからなのですが、もう一方で、毎晩をスマートフォンのゲームアプリに熱中するのを食い止めたかった、という考えもあります。年を重ねることで新しい物事にチャレンジしなくなった…

2016年11-12月の読書リスト

リアル書店にあまり足を運ばなくなったので、だんだんと積読が少なくなってきました。良いことなのか、悪いことなのか、状況を決めるのは早計な気がします。 01. プラチナエンド・第4巻(大場つぐみ 小畑健) プラチナエンド 4 (ジャンプコミックス) 作者: …

フィリップ・K・ディックのおすすめ短編

大森望の編纂によるフィリップ・K・ディック短篇傑作選(全6弾)を読み終えたので、その紹介とおすすめ短篇を綴ります。 Philip Kindred Dick SF小説家。「高い城の男」ヒューゴー賞(1962)、「流れよ我が涙、と警官は言った」ジョン・W・キャンベル記念賞…

小説『掟上今日子の旅行記』感想

西尾維新による小説『掟上今日子の旅行記』を読み終えまして、その感想を綴ります。 掟上今日子の旅行記・あらすじ 「エッフェル塔をいただきに参上致します。―怪盗淑女」不穏な犯行予告を阻止するため、パリに招かれた忘却探偵の掟上今日子。しかし怪盗の真…

2016年10月の読書リスト

これまで紙で購入してきた作家やシリーズ本を、電子書籍に切り替えるべきか、すごく悩んでいます。 01. 暗号解読(サイモン・シン 青木薫) 暗号解読〈上〉 (新潮文庫) 作者: サイモンシン,Simon Singh,青木薫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/06/28 …

小説『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』ポピュラー・ハイライト

西尾維新の小説『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』の名言・箴言たる電子書籍のポピュラー・ハイライトをまとめてみます。

小説『世界から猫が消えたなら』感想

川村元気による小説『世界から猫が消えたなら』を読み終えまして、感想を綴ります。 世界から猫が消えたなら・あらすじ 郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告…

ノンフィクション『暗号解読』感想

サイモン・シン、青木薫によるノンフィクション『暗号解読』を読み終えまして、感想を綴ります。 暗号解読 文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な…

漫画『四月は君の嘘』でオマージュ/小説『いちご同盟』感想

三田誠広による小説『いちご同盟』を読み終えまして、感想を綴ります。 いちご同盟・あらすじ 中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい…

2016年9月の読書リスト

読書は乱読派なのですが、今月はミステリに偏りすぎてしまったと反省しています。 01. 死神の浮力(伊坂幸太郎) 死神の浮力 (文春文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/07/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る …

村上春樹『風の歌を聴け』ポピュラー・ハイライト

村上春樹『風の歌を聴け』を読み終えたのですが、よく分からなかったので、名言・箴言たる電子書籍のポピュラー・ハイライトをまとめて終わりにします。 風の歌を聴け 1970年の夏、海辺の街に帰省した“僕”は、友人の“鼠”とビールを飲み、介抱した女の子と親…

ライトノベル『ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット』感想

川原礫によるライトノベル『ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット』を読み終えたので、感想を綴ります。 ソードアート・オンライン6 ファントム・バレット 銃と鋼鉄のVRMMO“ガンゲイル・オンライン”で発生した“死銃”事件を調査するため、“GGO”へ…

正統転化コミカライズ/漫画『エウレカセブンAO』回想

漫画『エウレカセブンAO』(2012~2013年・全5巻)を今更ながら読みました。オリジナルアニメ『エウレカセブンAO』の漫画版メディアミックスなのですが、そのストーリーの整理をいつかしたいなと、アニメを見た当時から思い抱いていました。ついでにアニメも…

2016年8月の読書リスト

『ファスト&スロー』の読了に結構な時間を費やしたので少なめです。ページ数の多い書籍を読む際は「何か吸収しなきゃ」という脅迫感がつきまとうのが心苦しいです。 01. ファスト&スロー あなたの意思はどうやって決まるか?(ダニエル・カーネマン 村井章子…

無関心でいられない“伊坂マジック”/小説『死神の浮力』感想

伊坂幸太郎による小説『死神の浮力』を読み終えまして、感想を綴ります。 死神の浮力 娘を殺された山野辺夫妻は、逮捕されながら無罪判決を受けた犯人の本城への復讐を計画していた。そこへ人間の死の可否を判定する“死神”の千葉がやってきた。千葉は夫妻と…

ブログを毎日書け/ノンフィクション『ファスト&スロー』感想

ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?』を読み終えたので、感想を綴ります。 ファスト&スロー 我々の直感は間違ってばかり? 意識はさほど我々の意思決定に影響をおよぼしていない? 伝統的人間観を覆す、ノーベル経済…

推理小説談議/小説『掟上今日子の家計簿』感想

西尾維新による小説『掟上今日子の家計簿』を読み終えまして、その感想を綴ります。 掟上今日子の家計簿 眠るたび記憶がリセットされる名探偵・掟上今日子。引き受けた事件は即日解決の彼女のもとに、今日も悩める刑事からの難題が舞い込んだ。呼び出された…

思い出の中から飛び出す/小説『撫物語』感想

西尾維新による小説『撫物語』を読み終えまして、その感想を綴ります。 小説『撫物語』あらすじ かつて神様だった少女・千石撫子。夢を追い、現実に追いつめられる彼女は、式神童女・斧乃木余接の力を借りて、分身をつくることに成功する。しかし4人の「撫子…

原作漫画からの改変/映画『バクマン。』感想

映画『バクマン。』(2015年)を見まして、その感想をまとめてみます。 映画『バクマン。』 原作・大場つぐみ、漫画・小畑健、『DEATH NOTE』のコンビが送り出す現代の「まんが道」ともいえる「バクマン。」は、2008年より週刊少年ジャンプにて連載を開始。…

2016年7月の読書リスト

シリーズものの読書を並列して抱えすぎており、新書を手に取りにくいのをなんとかしなければ、と思い悩んでいるこの頃です。 01. 小さな黒い箱 ディック短篇傑作選(フィリップ・K・ディック 大森望) 小さな黒い箱 (ディック短篇傑作選) 作者: フィリップ・…

映画の期待値を上げる/小説『君の名は。』感想

新海誠による小説『君の名は。』を読み終えまして、その感想をまとめてみます。 新海誠 1973年生まれ、長野県出身。2002年、個人で制作した短編作品『ほしのこえ』でデビュー。同作品は、新世紀東京国際アニメフェア21「公募部門優秀賞」をはじめ多数の賞を…

2016年6月の読書リスト

本を読むのはどこでもできるタイプですが、本の感想をまとめるのには、特定の場所とまとまった時間が必要な自分です。本は次々に読めますけど、頭の中に感想が書き出せずに溜まりがちなのがちょっと苦しいです。 十二夜 (岩波文庫) 作者: シェイクスピア,SHA…

森ワールドはまだまだ続く/小説『φは壊れたね』感想

森博嗣の小説『φは壊れたね』(2004年)を読み終えまして、その感想をまとめてみます。 まず『φは壊れたね』、そして森博嗣について。 D2大学院生、西之園萌絵(にしのそのもえ)、ふたたび事件に遭遇。密室の宙吊り死体!森ミステリィ新シリーズ!! おもち…

太るためのプロテイン/2016年6月の短文集

・見方の補正 普段はよく洋画SFを見ているのですが、その合間に恋愛映画を挟むようにし始めました。たぶん自分だけの傾向だと思うのですが、SFばかり見ているとどうしてもそのテーマとか設定とかガジェットに注目が過ぎてしまい、登場人物への移入があまり起…

“伊坂っぽさ”全開/小説『ガソリン生活』感想

伊坂幸太郎による小説『ガソリン生活』を読み終えまして、その感想をまとめてみます。 伊坂幸太郎 1971年生まれ 千葉県松戸市出身 宮城県仙台市在住 東北大学法学部卒業 受賞歴 1996年 第13回サントリーミステリー大賞佳作(『悪党たちが目にしみる』、大幅…

分かる人には分かる本/新書『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』感想

海猫沢めろんによる新書『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』を読み終えまして、その感想をまとめてみます。 海猫沢めろん 名前 海猫沢 めろん(うみねこざわ めろん) 職業 文筆業 生年月日 1975年3月14日 大阪生まれ 血液型 A型 魚座 高校卒業後、紆余…

2016年5月の読書リスト

乱読派なので、リストに一貫性はありません。 ノーゲーム・ノーライフ1ゲーマー兄妹がファンタジー世界を征服するそうです (MF文庫J) 作者: 榎宮祐 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー 発売日: 2012/04/20 メディア: 文庫 この商品を含むブログ…

誰も幸せにならない/小説『掟上今日子の婚姻届』感想

西尾維新による「忘却探偵シリーズ」の新刊『掟上今日子の婚姻届』を読みまして、その感想をまとめてみます。 まず「忘却探偵シリーズ」について。 事件は今日中に解決します――そして、明日には忘れます 眠るたび記憶がリセットされる白髪の名探偵・掟上今日…

現場研修/2016年5月の短文集

・現場研修 就職先で座学の研修が終わり、工場内での現場研修が始まりました。自分は自身の精神面を上手くコントロールできると自負しているのですが、工場内の異様な環境のせいか、それによるストレスのせいか、肌が荒れてかつニキビができてきました。仕事…

2016年4月の読書リスト

社会人になりまして、新しい環境で読書を続けるのか、自分でも興味津々だったのですが、今のところ本を読む時間が確保できていて、むしろ学生時代よりもよく読んでいるくらいです。この状態をなるべく継続してゆくためにも、今月の読書をリスト化してみまし…

紙と電子と/小説『新世界より』回想

先日、貴志祐介による小説『新世界より』を読み終えました。単行本は2008年の発売でSF大賞を受賞し、漫画・アニメのメディアミックスもすでに行われました。近年のホラーSF系における名作です。 今回の話は『新世界より』を中心とした、その読書媒体について…

積読本のリスト

日頃の読書はスローペースですが(約1冊/1週)、継続して行っています。しかし気がつくと、まだ読んでいない本が部屋の隅に積まれていました。今回は自戒を込めて、その、購入しただけで読んでいない積読本(積毒本;つんどくほん)をリストアップして、で…

大場つぐみ・小畑健コンビの最新作『プラチナエンド』2巻までを整理してみる

『DEATH NOTE』・『バクマン。』を手がけた原作:大場つぐみ・作画:小畑健の最新作『プラチナエンド』2巻を読み終えまして、自分用に色々と綴ろうかと思います。 ます当漫画のあらすじについて。 「私が“生きる希望”をあげる」架橋明日は家族を事故で失い、…

物語深化の原点/アニメ『ギルティクラウン』回想

アニメ『ギルティクラウン』のBlu-ray BOXが2016.4.27に発売予定です。その知らせを聞いて懐かしく思い、色々と当シリーズを見直しました。今回の話はその個人的な回顧と想察になっています。 まず『ギルティクラウン』がどんな物語かといいますと、 2029年…

アニメと漫画の比較/交響詩篇エウレカセブン

漫画『交響詩篇エウレカセブン』(2005~2007年・全6巻)を今更ながら読みました。 オリジナルアニメ『交響詩篇エウレカセブン』の漫画版メディアミックスなのですが、そのストーリーの整理をいつかしたいなと、アニメを見た当時から思い抱いていて、ちょう…

私の終りとハードボイルド・ワンダーランド

エレベーターはきわめて緩慢な速度で上昇をつづけていた。 おそらくエレベーターは上昇していたのだろうと私は思う。 しかし正確なところはわからない。 あまりにも速度が遅いせいで、方向の感覚というものが消滅してしまったのだ。 あるいはそれは下降して…

『掟上今日子の備忘録』ファンの置手紙

主演:新垣結衣によるドラマ『掟上今日子の備忘録』放送終了お疲れさまでした。 やや遅れたものの、原作小説を読んだ上で当録画を見通しました。 自分なりの備忘録として感想を綴ろうかと思います。 まず、小説『掟上今日子の備忘録』から始まる「忘却探偵シ…

進化論を引用するNARUTO外伝

『NARUTO-ナルト-外伝~七代目火影と緋色の花つ月~』を読みまして、 かなり面白かったのですが、少々腑に落ちない部分もありまして、 それとなく綴ることで自分なりに整理しようと思います。 外伝のあらすじは、忍者による大戦が終わって平和がしばらく続いた…

木下是雄『理科系の作文技術』

猫町倶楽部・名古屋アウトプット勉強会という読書会の課題本で、 木下是雄『理科系の作文技術』を読みました。そしてその内容をまとめてみました。 物理学者で、独自の発想で知られる著者が、理科系の研究者・技術者・学生のために、 論文・レポート・説明書…

読書量、しいては

あまり誰かに見せていい話ではないけれども、 書ききらないと僕自身がスッキリしないというのが1番大きな理由で、 2番目は僕の書くスピードがあまり早い方ではなく、 つまり、ある日の話として仕方なく見せざるを得ないかもしれないから、 やっぱり書く必要…

ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来』

猫町倶楽部・名古屋アウトプット勉強会という読書会の課題本で、 ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来』を読みました そしてその内容をまとめてみました。 家庭か仕事か――あなたはまだ悩んでいる?モーレツサラリーマンも今は昔。 日本でも「組…

ミシェル・ウエルベック『素粒子』

猫町倶楽部・名古屋文学サロン月曜会という読書会の課題本で、 『素粒子』(ミシェル・ウエルベック)を読みました。 そしてその内容をまとめてみました。 人類の孤独の極北に揺曳する絶望的な“愛”を描いて重層的なスケールで圧倒的な感銘を よぶ、衝撃の作…