『DEATH NOTE』・『バクマン。』を手がけた原作:大場つぐみ・作画:小畑健の最新作『プラチナエンド』2巻を読み終えまして、自分用に色々と綴ろうかと思います。
ます当漫画のあらすじについて。
「私が“生きる希望”をあげる」架橋明日は家族を事故で失い、引き取られた親戚のもとでも辛い日々を送っていた。全てに絶望した少年は、中学校を卒業したその日、ビルの屋上から身を投げる。しかし、少年はそこで1羽の天使と出会う――!?
(集英社マンガネット『プラチナエンド 1』より引用)
「俺 咲ちゃんの“翼”になる」高校の入学式に出かけた明日は、背後から“赤の矢”を刺されてしまう。刺された相手…それは、明日がずっと想いを寄せる花籠咲だった!! 一方、メトロポリマンに扮する神候補が再び動き出し、残りの神候補11人に、話し合いを持ちかける。そして、そこで起こるのは──!?
(集英社マンガネット『プラチナエンド 2』より引用)
『DEATH NOTE』に近いバトルロワイヤルもの・頭脳戦もの・超能力ものです。ただ主人公の架橋明日(ミライ)は争いに消極的であり、ヒロインの花籠咲に耽溺する姿は『バクマン。』の主人公・真城最高を思い浮かべるキャラクターになっています。つまり『DEATH NOTE』のサスペンスと『バクマン。』の人間ドラマの両方を取り入れようとしています。悪くいえば中途半端ともいえますが、まだ既刊2巻なので言及はできません。
自分はどちらかといえば『DEATH NOTE』の頭脳戦を意識した読み方をしています。ですが『DEATH NOTE』はほぼ夜神月とLとの戦い、という分かりやすい構図だったのに対し、『プラチナエンド』は13人の神候補(バトルロワイヤルの参加者)の全員を把握する必要があるので、読むのに頭を使うため疲れます。
なので2巻までの状況を整理してみます。(ネタバレ回避推奨です)
まず前提条件として、以下の事柄があります。
・神候補は13人
・その中から一番ふさわしい人を選ぶ
・神候補から外れると候補者は死ぬ
・神候補には天使が付いている
・神候補だけはお互いの天使が確認できる
・天使には特級・1級・2級のランクがある
・特級は翼・赤の矢・白の矢を持っている
・1級は翼と赤の矢を持っている
・2級は翼か赤の矢のどちらかを持っている
・特級はたぶん3羽だが、1級が特級に昇格することもあり、特級が1級に、1級が2級に降格することもある
・昇格や降格の条件は不明、ただし特級は何かに卓越した天使に与えられる
・赤の矢を刺すと、刺した相手は33日間だけ愛の力でコントロールできる
・赤の矢を1人に刺せるのは1回だけ
・白の矢で刺した相手は死ぬ
・翼は自由に移動でき、また赤の矢と白の矢から例外的に逃げることができる
・神候補を殺すと、殺した神候補が持っていた翼や矢を譲り受けることができる
・神候補に翼や矢を渡せば、与えられた神候補は翼と矢を永遠に使える
・神候補でなくても、赤の矢を刺してから渡せば33日間に限り自由に使える
他にも細かな設定がありますが、重要そうなのは以上です。
続いて登場人物の整理です
・架橋明日(高校生):特級 翼1 赤1 白1所持
・花籠咲(高校生):2級 赤1所持
・ロドリゲス頓馬(芸人・死亡):2級 赤1所持
・畠山(三浪人生・死亡):1級 翼1 赤1所持
・田淵(一浪人生・死亡):1級 翼1 赤1所持
・ちーちゃん(小学生?・死亡):2級 翼1所持
・メトロポリマン・生流奏(高校生):特級 翼3 白1 赤4所持
・六階堂七斗(会社員):1級 翼1 赤1
計:8/13名(4名死亡) 特級2名 1級3名 2級3名 翼5 赤7 白2
これから予想外の展開があるでしょうが、戦いは序盤の山場を迎えており、それほど長い連載にはならなさそうであり、13巻くらいで完結するのではないでしょうか。
2巻までの全体的な感想は「まだ普通の漫画」です。ただよくよく考えてみると、いきなり“天使”とか“神を決める”とか出てきて「そんなこと言われても」という雰囲気になりがちなところを、しっかり漫画の世界に入ってゆけるのがすごいです。さらに生死のやり取りをしているのに、「咲ちゃん」を連呼している主人公がそれほど苦でないところも絶妙に作り込まれています。作画も全体的にハイレベルで、なおかつ争いのシーンは『DEATH NOTE』風の劇画調、主人公たちが普通の会話をしている場面では『バクマン。』風のデフォルメされたポップに描かれており、一作で二作分の絵が味わえます。
メディアミックスに関しても、実写は難しいかもしれませんが、アニメ化の話は水面下で着実に進んでいると予感させるものがあります。まずは順調に巻数が積み重なることを期待しています。