社会人になりまして、新しい環境で読書を続けるのか、自分でも興味津々だったのですが、今のところ本を読む時間が確保できていて、むしろ学生時代よりもよく読んでいるくらいです。この状態をなるべく継続してゆくためにも、今月の読書をリスト化してみました。
01. Boy’s Surface(円城塔)
著者の『Self-Reference ENGINE』『これはペンです』『屍者の帝国』を読んで「読まなきゃよかった」とその時は思ったはずなのですが、しばらくすると無性に読みたくなります。この小説も内容が難しすぎてよく分からないのですが、読み終えた者同士で感想を語り合うのはさぞかし楽しいだろうなと思える内容です。
02. 論理哲学論考(ヴィトゲンシュタイン 丘沢静也)
岩波文庫版(野矢茂樹訳)に続き、よりヴィトゲンシュタインを味わいたかったので光文社古典新訳文庫版を読みました。全体的に岩波の方がフレーズは格好いいですが、光文社の方がソフトな訳で、おまけに野家啓一氏による出前講義も付いていて理解が深まりやすいです。
2008年SF大賞受賞作品です。個別感想記事を作成しました。
04. アテンション 「注目」で人を動かす7つの新戦略(ベン・パー 依田卓巳ほか)
注目や関心を集める方法を整理したビジネス書です。このブログの運営にも取入れてゆきたいテクニックがたくさん載っていました。しかし仕掛けが明らかだと効果が薄れるかもしれないので、読まないで欲しいです。
会社で働き始めると、「ちょっときついな」と思ってしまう勤務体系はあるのですが、『蟹工船』を読むと「昔の時代の方が大変だった」「この人たちのおかげで今の自分たちがあるんだ」「いつだって物事は変えられる」と思い抱くことができます。『一九二八・三・一五』は三・一五事件を題材にした群像小説です。『蟹工船』よりも前の作品であり、少し荒削りですが、妻や子の視点が『蟹工船』への良いアンチテーゼになっていて良かったです。それと、小林が『蟹工船』を書いたのが25歳だということに驚きました。
ソードアート・オンライン〈3〉フェアリィ・ダンス (電撃文庫)
- 作者: 川原礫,abec
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06. ソードアート・オンライン3 フェアリィ・ダンス(川原礫)
主人公のキリトがSAOから現実世界に戻ってきて、またネットゲームに飛び込んでいく話です。小説だとキリト君がSAO時代よりもはっきりネットとリアルの区別をしている感覚が伝わってくるのと、須郷伸之(敵ボス)にとっては明日奈なのですが、キリトにとっては“アスナ”であるところがアニメにはない面白さです。
ミステリィ「四季シリーズ」の(便宜上の)第3巻です。過去の「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」と刊行順に読んできた自分にとってはボーナス・トラックのような一冊でした。でも真賀田四季が登場しない方が『桐島、部活辞めるってよ』みたいな不条理系になることでより面白かったかもしれません。