罪の名前/ryo (supercell) feat.初音ミク
ryo (supercell) feat.初音ミクの新配信曲『罪の名前』を購入しまして、その感想をまとめてみます。
supercell
インターネット発! これまでニコニコ動画にアップした楽曲の総再生回数は2, 000万回を優に超える、コンポーザーのryoと多数のクリエーターからなる驚異のエンターテインメント・ユニット、supercell。
2007年、音声合成ソフト「初音ミク」を用い、「メルト」、「ブラック★ロックシューター」などの楽曲をニコニコ動画に投稿、 ryo(supercell)の描く歌詞・曲の世界観が多くのユーザーに支持され、一躍脚光を浴びニコニコ動画上で大きなムーブメントを起こす。
2009年、1stアルバム「supercell」でセンセーショナルなデビューを果たし、2010年3月には「第24 回日本ゴールドディスク大賞」にて「ザ・ベスト5 ニュー・アーティスト」受賞と、名実共に勢いのある今最も旬なアーティストへ成長を遂げたsupercell。
「君の知らない物語」、「さよならメモリーズ」、「うたかた花火/星が瞬くこんな夜に」の3枚のシングルリリースを経て、 2011年3月、2ndアルバム「Today Is A Beautiful Day」を発売、オリコンウィークリーチャート3位を獲得し、更なるsupercell旋風を巻き起こしている。
(「Sony Music・supercell・プロフィール」より引用)
そして『罪の名前』について。前作『ODDS&ENDS』から4年近くを経ての初音ミクでの新譜です。今作は大人気ゲーム「初音ミク -Project DIVA- X」のオープニングテーマ曲にも起用されています。
楽曲のテーマは、目の見えない男の子と、呪いをかけられた女の子の物語です。歌詞の読解については以下のブログが詳しく、一部引用します。
彼女が受けるのは、ひたすら「罰」です。その原因となった罪の名前はいまいちはっきりしません。
「世界でたった一人だけの友達」を持ってみたいと思ったせいでしょうか?
「生きることは素晴らしい」と思ってみたいと考えたせいでしょうか?
「身の程知らずに恋を」してしまったせいでしょうか?
それらは決して罪ではなく、ごくごく当たり前の行為にすぎません。存在しない罪に名前などあるわけもなく、彼女はありもしない罪に苦しめられているような気がします。
じじつ、彼女はその男の子 (「あなた」) の言葉によってこのことに気づかされるようです。「悪夢のような魔法」が解けるには、「君は普通の女の子さ」というただそれだけの言葉で十分なのでした。
なぜなら"普通の女の子"に、運命が定めるような「罪の名前」の強迫観念を背負わせるほうがおかしなことだからです。
欠損や不完全さをもつ者が、それを「罰」だとみなすこと、そしてその原因は自分がなにか「罪」を犯したからだと考えてしまうのは、気持ちとしてはとても分かることです。ですが本当にそれは「罪」のせいなのでしょうか。罪でないとしたら、本当にそれは「運命」なのでしょうか。
(「~ 歌詞でよむ初音ミク34 ~ 罪の名前」より引用)
なかなかストーリー性の強い楽曲で、「これはミクと、そして僕の話」と明言されている『ODDS&ENDS』と被るところがあります。でも『罪の名前』は少し寓話的で説教くさい反面、女の子・男の子・女神などの人物が登場してのおとぎ話・歌劇らしい構成になっているので、Project DIVAにはぴったりな曲だと思います。また「罪の名前」というタイトルや、歌詞はやや暗いという印象も受けます。
ところで、曲の始まりの英語は誰が語っているのでしょうか? なんとなくchelly(EGOIST)っぽい気もします。それに歌詞やイラスト担当を含めたクレジットが明確に分かるのがCDジャケットだと思うのですが、どうやら最近のボーカロイド界隈の状況をみるとCD販売は難しかったようです。元が取れないようですね。でも、ryo (supercell) feat.初音ミクに限ってもDIVAテーマで4曲も出しているので(『こっち向いてBaby』、『積乱雲グラフィティ』、『ODDS&ENDS』、『罪の名前』)、ぜひともオリジナルアルバムとしてまとめてもらいたいです。
追記:イラストは優によるものだったようです。同氏は漫画版『おおかみこどもの雨と雪』を描き、後の作品『五時間目の戦争』ではryoからメインテーマ曲『Starting Bell』を書き下ろした縁もあって採用されたのだと思います。
【初音ミク】 罪の名前 【Project DIVA X Live Edit / Full PV】