AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

ゲームアプリ『妖怪ウォッチワールド』感想

 

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 iOS/Androidスマートフォン向けゲームアプリ『妖怪ウォッチワールド』を遊んでみました。

 

妖怪ウォッチワールド

見つける、集める、取り憑ける
冒険の舞台は「日本全国」!
ジバニャンやコマさんなど、「妖怪ウォッチ」シリーズの個性豊かな妖怪たちが出現する。日本全国に出現する妖怪を探してともだちになろう!

スマホで全国の妖怪を集めよう!
見つけた妖怪をタップすると、あなたのスマホの画面に妖怪が出現。逃げられないように、すばやく見つけだそう!

簡単操作で妖怪とバトル
見つけた妖怪とバトル! セミオートバトルなのでとっても簡単! バトルに勝つとともだちになれることも?

 

妖怪ウォッチワールド公式サイトより引用

youkaiww.gungho.jp 

 妖怪ウォッチ誕生5周年記念作としてリリースされたシリーズ最新作です。今作は位置情報(GPS)を駆使して、日本全国に散らばる妖怪を集めることを目的としています。そのための基本は妖怪とバトルし、自身が操る妖怪を鍛えたり、新しい妖怪を仲間にしたりして、より強い妖怪に挑み、そしてそれらのサイクルを繰り返すRPGとなっています。

 ちなみに自身のゲーム経験として、位置情報ゲームとして有名な『Pokémon GO(ポケモンGO)』はトレーナレベル36の中級者であり、原作<妖怪ウォッチ>シリーズや開発元の一方であるガンホー・オンライン・エンターテイメントの『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』はプレイしたことがありません。

 以降はどうしてもポケモンGOとの比較が多くなってしまいますが、端的に感想をまとめると以下の通りです。

  • 歩かなくてもOKな位置情報ゲーム
  • ヒョーイが面白い
  • コレクションゲームなのに結局はガチャ収集
  • プライバシー・歩きスマホ・混線に配慮した作り込み
  • ポケモンGOとは似て非なる存在

 

歩かなくてもOKな位置情報ゲーム

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妖怪ウォッチワールド』ではチュートリアルが終わると「妖怪を探しに出かけよう!」といった主旨のメッセージが表示されます。しかし画面右下の”ウォッチボタン”を押せば妖怪が無限に沸いてきて、仲間を増やし放題ですし、飽きるまでレベル上げができます。もちろん、出現する妖怪の種類には限りがあります。しかし後述する「ヒョーイ」によって自らが外出するのと同じ効果を得ることができ、快適な環境で位置情報ゲームを楽しむことができますし、究極的にいえばコンプリートも可能になっています。この”外出強制力”の低さが他の位置情報ゲームとはまったく異なります。

 

ヒョーイが面白い

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「ヒョーイ」というのは、自身のもつ妖怪を他プレイヤーに”憑依”させ、そのプレイヤーが移動するとその妖怪も移動し、一定時間後に移動先の妖怪やアイテムを連れて帰ってくる、という機能です。これを利用することで前述の”引きこもりプレイ”が可能となっています。そこまで閉鎖的にならなくても、地理的・経済的にそれほど移動できないプレイヤーが、妖怪ウォッチの世界では日本全国どこでも行くことができるわけです。これをもう少し楽観的に捉えると、ポケモンGOなどで見られる都会と田舎のゲーム環境を調整する仕組みになっているとも考えられます。

 またヒョーイされたプレイヤーについても、その状態で移動するとゲーム内通貨が貰えたり、ヒョーイしてきた妖怪を仲間にできたりします。なので「いかに大人数からヒョーイしてもらえるか」が重要になってきます。ヒョーイ先のプレイヤーを選定する情報として誤魔化すことのできないGPS出身地と移動距離が表示されるため、より他プレイヤーの信頼を得られるよう長距離の移動を促すゲーム作りになっています。

 

コレクションゲームなのに結局はガチャ収集

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 自身の活動とヒョーイによって妖怪をコレクションしてゆくわけですが、基本的に”野生”で出会えるのは低ランクばかりです。一方で高ランクの妖怪は有料ガチャから排出されます。この仕組みが目的と噛み合っていなくて残念でした。ガチャがあることで手軽に強い妖怪が手に入ったり、「歩かなくてもOK」のコンセプトも活かしやすくなったりするので、ガチャそのものを否定しているわけではありません。ガチャには景品表示法により排出率が明記されていますが、これはあくまで確率であり任意の妖怪を入手できない可能性がある点、このゲームの目的が「コレクション」である点、また位置情報ゲームなのに位置・移動がまったく考慮されていないという点から、一定数のポイントを消費することでプレイヤーが選んだ妖怪をガチャリストから入手できる補完が必要だと感じます。

 一応、ゲーム内で比較的容易に入手できる通貨で「コインガチャ」を引くことができ、そこからもSランク級のレア妖怪が入手可能になっています。なので、いわゆる”無課金”でもコンプリート、あるいはそれなりに楽しめる仕組みにはなっているのかもしれません。ただこちらは法律に接触しないためか排出率が明記されていないため、現実的な確率で任意の妖怪をゲットできるかは疑問が残るところです。

 

プライバシー・歩きスマホ・混線に配慮した作り込み

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妖怪ウォッチワールド』は位置情報ゲームといわれていますが、正確なGPSは必要としていなくて、市区町村で出現する妖怪や周囲のプレイヤーが変わる”地域情報ゲーム”のようです(要検証)。なので基本的にお互いのプレイヤーは数百メートル離れていますし、ヒョーイ検索の際はアバター位置が適当に割り振られる仕組みになっています。ゆえにリアルの接触はほとんど不可能になっており、さらには他人から一切干渉されない「プライベートモード」、ヒョーイ検索で別名を表示する「カモフラージュモード」が搭載されています。

 また、ARカメラで捉えた妖怪は「百鬼夜待」という一時待機の状態にでき、自身に都合のよいタイミングでその妖怪と戦ったりゲットしたりすることができます。このため、歩きスマホを防止してさらには帰宅してからゆっくりゲームを楽しむことができる作り込みになっています。

 ポケモンGOの話を持ち出すと、ゲーム内マップのある特定スポットに強力なポケモンが一定時間のみ配置され、それを追い求めるプレイヤーが車で押し寄せることで渋滞・違法駐車・近隣トラブルを引き起こす通称”車でGO"という問題があります。さらには特定の日時のみレアポケモンが大量に出現されるイベントで、これまた大量のプレイヤーが駅や公園に密集してプレイすることで通信量が過密になりエラーやサーバーダウンを発生させるという問題もあります。これらの点において、前述の通り妖怪ウォッチワールドは市区町村を単位としているので、ある場所に一極集中する必要性がないですし、それにより混線のリスクも限りなく低くなっています。

 

ポケモンGOとは似て非なる存在

 インタビュー等を読んでいると、『妖怪ウォッチワールド』はガンホーの『パズドラレーダー』の進化形であり、『Pokémon GO』はナイナンテックの『Ingress』の進化形であることが分かります。また上記の内容から、それらのゲーム設計が大きく異なることは明らかです。しかしそれらの”位置情報ゲーム”や”キャラクターコンテンツ”といった一部分が過度に取り上げられた結果、『妖怪ウォッチワールド』と『ポケモンGO』は”似ている”というレッテルを貼られ、以降もこの印象はつきまとってゆくだろうと思います。

妖怪ウォッチワールド』はまだ配信されたばかりなので、ポケモンGOとは別の道を突き進むには到っていませんが、とても可能性を感じる一作ではあります。ポケモンGOは徹底的な非Pay to Win、低課金路線、ライトユーザー指向、リアルイベント開催といった内容で、先日にはリリース以来最大のプレイヤー数増加を達成しています。はたまた、妖怪ウォッチはどういうゲームになるのでしょうか。位置情報要素はおまけで付いた”ガチャゲー”になるのか、ご当地妖怪を増やして”コンプゲー”にするのか、仮想マップ上にもっとレアな妖怪を配置する”正統派位置情報ゲーム”になるのか、あるいはまだ類を見ないものになるのか、わかりません。でもそういった期待は十分に持てるのが『妖怪ウォッチワールド』です。

venturebeat.com


 まとめとして、『妖怪ウォッチワールド』はこんな人に向いています。

  • 妖怪ウォッチが好きな人
  • 位置情報ゲームはしたいけど外にはあまり出たくない人
  • 地方に住んでいる人
  • 地方から都市部に通勤・通学する人
  • 遠征や出張が多い人
  • スマートフォンAndroidの人

 

妖怪ウォッチ ワールド

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