リアル書店にあまり足を運ばなくなったので、だんだんと積読が少なくなってきました。良いことなのか、悪いことなのか、状況を決めるのは早計な気がします。
01. プラチナエンド・第4巻(大場つぐみ 小畑健)
02. 火花(又吉直樹)
国内発行部数250万を突破した、芥川賞受賞小説です。本著はたぶん素晴らしい内容だと思うのですが、自分自身がアニメやライトノベルによくありがちな、登場人物が先行してストーリーを推し進めていくようなタイプの物語に毒されていたようです。なので『火花』のように人物像がそれほど語られず、観念的で考えることを強く要求する種類のものを久々に読むと、かなり吸収力が落ちていたせいもあってか、今の自分には合わなかったです。
03. ソードアート・オンライン7 マザーズ・ロザリオ(川原礫)
ソードアート・オンライン〈7〉マザーズ・ロザリオ (電撃文庫)
- 作者: 川原礫,abec
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/04/08
- メディア: 文庫
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大人気ネットゲーム・ファンタジー・ライトノベルの7冊目です。今回は1巻完結なのに人気の高いマザーズ・ロザリオ編です。「オンラインゲーム内で思い出作りをする」という、中高年にはなかなか理解しにくい行動かもしれませんが、でも実際のところ、平成生まれのうちの何割かは本作に似た経験をするでしょうし、その数はこれからどんどん増えてゆくだろうと思います。物語では主人公の親も登場し、対話をするシーンがあります。中高生に読んでもらいたいのは間違いないですが、その親世代にも読んでもらいたい一冊です。
04. 掟上今日子の旅行記(西尾維新)
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/11/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『掟上今日子の備忘録』からはじまる「忘却探偵シリーズ」の8巻目です。今回の語り部は“冤罪体質”の隠館厄介であり、今日子さんと波乱の旅行を繰り広げる長編ミステリです。個別記事を作成しました。
05. 一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル(東浩紀)
思想家であり小説家でもありサブカル大好きな著者による、少しライトな社会思想の本です。著者は「一般意志2.0」による新しい政治を提案しており、まずその内容が、良くも悪くも面白いです。そしてその説明過程でルソー・フロイト・グーグルといった、そう遠くない未来のキーワードについて学べる点も優れていて、なおかつ内容はそれほど堅苦しくないです。これ1冊では何かを大きく変える力はないかもしれませんが、関連著作への足がかり、そしてよりよい政治志向の芽にはなると思います。
06. 首折り男のための協奏曲(伊坂幸太郎)
日常系ミステリーを得意とし、『ゴースデンスランバー』『オー!ファーザー』『グラスホッパー』など映画原作も多い著者の短篇集です。冷静に読むとそれぞれ個別のテーマを持っているのですが、なぜか「連作もの」のように感じられる不思議な内容です。
07. λに歯がない(森博嗣)
ミステリィ・Gシリーズの5冊目です。今回は建設技術研究所を舞台にした、密室怪奇殺人となっています。かなり理系テイストが強く、読みにくいかもしれません。個人的には前半の万策尽きた雰囲気から、後半になって級に陳腐な感じになってゆくのがかなり残念でした。