2016.5.4~5.8に開催された「MADOGATARI展」の名古屋会場に行ってきまして、その感想を綴ろうかと思います。
まず「MADOGATARI展」について、
シャフト40年の軌跡を体感
2015年9月、数々のアニメーション制作に携わってきたシャフトは設立40周年を迎えます。
この節目の時期にこれまで応援いただきました皆様へ感謝の気持ちを込め、
展覧会を開催いたします。
会場では、シャフトの代表作品である『〈物語〉シリーズ』、『魔法少女まどか☆マギカ』を中心に
過去作品の原画、設定などの貴重な制作資料、
圧倒的な物量と熱量をもって作られてきた
数々の作品の歴史とその軌跡を体感頂ける空間をご用意して、
皆様のご来場をお待ちしております。
(MADOGATARI展[SHAFT 40th ANNIVERSARY]より引用)
アニメ制作会社「シャフト」の設立40周年を記念した展示会イベントです。
2015.11.27に東京で同様の展示会が開かれていまして、そちらのレポートを読む限り名古屋会場と同様の内容で、『〈物語〉シリーズ』や『魔法少女まどか☆マギカ』を中心とした原画や設定資料集が展示されていました。
そして特に面白いと思ったのが、『〈物語〉シリーズ』の16面ディスプレイです。最初は8組のシーンの絵コンテと実際の放送映像が対比されて映し出されているのですが、突如「同期」の表示とともに『化物語』の、螺旋階段で阿良々木暦が戦場ヶ原ひたぎを受け止めるシーンに切り替わって流れます。たぶんシャフト以外のアニメが大小様々なディスプレイで映し出されたらそんなに注目しなかったのでしょうが、モニターの境目がなんだか「シャフトっぽい演出」になっていて良かったです。
でもちょっと残念だったのは、展示内容が『化物語』や『偽物語』に偏っていたところです。確かに『〈物語〉シリーズ』の初期は視聴者が多いので、その数に比例して展示会を楽しめる人も多くなるでしょうが、個人的には『花物語』と『終物語』が好きだったので、少し物足りない印象でした。
『魔法少女まどか☆マギカ』ゾーンは各キャラクターの変身シーンの原画を中心として展示されていました。『〈物語〉』ゾーンは通路の壁面に貼られた原画を見ながら進む、という流れだったのですが、『まどマギ』ゾーンは順路のない小部屋に通されて、各自が好きなように楽しむことができる空間になっていて良かったです。
でもこちらも今一歩な部分がありまして、それは『叛逆の物語』での暁美ほむらと巴マミの戦闘シーン(ガン=カタ)の原画が天井にあって見にくかったところです。このシーンは今後10年間にわたって語り継がれるだろう傑作の場面なのですが、もったいない展示の仕方だと思いました。原画・絵コンテ・実映像が並んでいれば、誰もが立ち止まって注視せずにはいられない最高の場所に成り得たはずなのに……惜しいところでした。
ほかにも『ひだまりスケッチ』、『ニセコイ』、『メカクシティアクターズ』をはじめとした歴代のシャフト作品の原画・イラスト・アイテムが展示されていました。
また「シャフトシアター」では『〈物語〉シリーズ』の会場オリジナル映像・劇場版『傷物語Ⅱ 熱血篇』予告編・『魔法少女まどか☆マギカ』新作短編映像が上映されました(合計9分)。『〈物語〉』は全編のおさらい的な動画、『熱血篇』は公式にも挙がっているPVの第1弾、そして『まどマギ』の新作短編は「えっ、これで終わり?」を思うほど掴み所のない映像でした。深い意味を読み取ることはできなかったです。
「アニメを作るのは大変だ」と制作の苦労を垣間見ました。でもアニメの原画がたくさん見てて楽しめました。「アニメにこんな楽しみ方があったんだ」と気づかされました。「これからももっとアニメを見よう」と動機づけられました。「アニメってすごい」と直感できる素晴らしい展示会でした。
※会場内の写真については以下の記事からお借りしました
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