リアル書店にあまり足を運ばなくなったので、だんだんと積読が少なくなってきました。良いことなのか、悪いことなのか、状況を決めるのは早計な気がします。
リアル書店にあまり足を運ばなくなったので、だんだんと積読が少なくなってきました。良いことなのか、悪いことなのか、状況を決めるのは早計な気がします。
2016年1月から放送されていたアニメ『僕だけがいない街』全12話を観終えたので、遅れながら感想を綴ろうかと思います。
まず当アニメのあらすじについて。
漫画家としてデビューするも、いまひとつ結果を出せずに毎日を過ごす青年・藤沼悟。彼は、彼の身にしか起こらない、ある不可思議な現象に不満を感じていた。
――リバイバル(再上映)
何か「悪い事」が起こる直前まで時が巻き戻る現象。それは、その原因が取り除かれるまで何度も繰り返される。……まるで、誰かに「お前が防げ」と強制されているかのように。
しかし、ある日起きた事件をきっかけに、その現象に大きな変化が訪れる。
自らの過去に向き合う時、悟が目撃する真実とは?
そして、悟の未来は――?
(『僕だけがいない街』・あらすじより引用)
本作品は三部けいによる漫画を元にした、タイムスリップミステリーです。リバイバル(再上映)という時間逆行ができる主人公・藤沼悟は、ふとしたことから18年前の誘拐事件を思い出します。そして帰宅すると母親が殺されており、逃げ出して気づいたら、昭和63年の北海道に戻ってしまいました。そこで誘拐事件の解決が18年後の殺人防止につながると考え、解決に奔走する、というストーリーです。
ネタバレは極力避ける方向で話を進めます。
続きを読む大森望の編纂によるフィリップ・K・ディック短篇傑作選(全6弾)を読み終えたので、その紹介とおすすめ短篇を綴ります。
SF小説家。「高い城の男」ヒューゴー賞(1962)、「流れよ我が涙、と警官は言った」ジョン・W・キャンベル記念賞(1975)、「高い城の男」ローカス賞(1975)などの受賞歴がある。53歳の時に脳卒中で生涯を終えた後も、「ブレードランナー」(原題・アンドロイドは電気羊の夢を見るか?)、「トータル・リコール」(原題・追憶売ります)、「マイノリティ・リポート」(原題・少数報告)、「スキャナー・ダークリー」(原題・暗闇のスキャナー)など多数の作品が映画化される。1983年には、SF作品を対象としたフィリップ・K・ディック記念賞が創設される。
(「TSUTAYA・フィリップ・K・ディック のプロフィール」より引用)
映画・映像原作としてアメリカで大人気のSF小説家です。直接的な原作でなくても、「マトリックス」、「インセプション」、「PSYCHO-PASS」といった、後の人気作品に多大な影響を与えた作家です。
PKDは長篇に人気作品が多いですが、デビュー当時は短篇が中心でした。映像化された短篇も多く、「アジャストメント」、「にせもの」、「トータル・リコール」、「マイノリティ・リポート」、「ペイチェック」、「ゴールデン・マン」、「変種第二号」が原作に当たります。
哲学的な物語もあれば、政治や宗教に踏み込む内容、幻想的なおとぎ話もの、ワンアイデア・ストーリー、バカSFなど、それぞれの短篇は独自の内容を含んでいます。
では、各短篇傑作選の紹介に移ります。
続きを読む「エッフェル塔をいただきに参上致します。―怪盗淑女」不穏な犯行予告を阻止するため、パリに招かれた忘却探偵の掟上今日子。しかし怪盗の真のたくらみは、今日子さん自身にエッフェル塔を盗みださせることで…!? 奪われた記憶と華麗なる罠。助手役を担う隠館厄介は、怪盗の魔手から今日子さんを救えるか?名探偵vs.怪盗のタイムリミット・ミステリー!(「BOOK」データベースより引用)
暗号の歴史と、それにまつわる人間ドラマと、将来の展望を詰め込んだ科学ノンフィクション。個別記事を作成しました。
ある日の放課後。理科実験室でラベンダーの香りを嗅いでから、少女は「時を自在に超える能力」を身につけた。そこから起こる不思議な出来事……繰り返す毎日……そして、未来からやって来た少年に抱く、初めての「恋心」。きっと、今年は忘れたくない「夏」になる。幾度となく実写映画化・アニメ化・舞台化されてきた名作『時をかける少女』。この作品は何十年たっても色あせることのない青春小説の金字塔。そして……発表されてから50年というタイミングで連続ドラマ化が決定!今まで描かれてこなかった未来人ケン・ソゴル。彼の感じた切なさや思いを描くことによって『時をかける少女』という物語が今、新しい魅力を持って生まれ変わる。「時をかける」少女と少年、そして「淡い恋」と、「暑すぎる夏」……。この夏、誰もがあの日経験した、青春のもどかしさと切なさが蘇る。(時をかける少女・イントロダクションより)
2016年4月から放送されていたアニメ『キズナイーバー』全12話を見終えたので、遅れながら感想を綴ります。
『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』など数多くの青春劇を手がけた岡田麿里が脚本を手掛け、キャラクター原案に漫画家・三輪士郎を、そして『キルラキル』『神撃のバハムート GENESIS』などで絵コンテ・演出を手掛けた若手実力派・小林寛を初監督に迎えて動き出した新プロジェクト。
キズでつながるキズナの物語―。少年少女たちの「痛み」を分け合う青春群像劇がいま、始まる!!
舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。
園崎は言う「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。
互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!
(TVアニメ「キズナイーバー」公式サイト・STORY・#INTRODUCTIONより引用)
突如として痛みを共有することになってしまった高校生男女による物語です。ストーリー要素を列挙するなら、オリジナル脚本、青春、SF、哲学系、といったところでしょうか。
何よりもこのアニメ、掴みが素晴らしいです。登場するキャラクターの性格もよく分からないままに彼らは「キズナイーバー」にされて、いきなりの脱出ゲームが始まります。それだけ強引な展開なのに、魅力的なキャラクターデザイン、秘密が隠されていそうな街の雰囲気、象徴的な痛覚描写が、今後の想像を膨らませます。
もちろん序盤だけでなく、話数が進む度にキズナの謎が少しずつ明らかになり、各キャラの内面が明らかになり、そしてより掘り下げた問題や事件が起こってゆきます。それだけ設定が作り込まれた王道的SFストーリーであり、なおかつ“共感”しやすいのが本作の特徴です。
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