祖父の葬式
小説『世界から猫が消えたなら』感想
世界から猫が消えたなら・あらすじ
郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。二〇一三年本屋大賞ノミネートの感動作が、待望の文庫化!(「BOOK」データベースより引用)
2016年には主演・佐藤健により映画化もされた、すこしファンタジックなヒューマン・ストーリーです。
2016年8-9月の鑑賞映画リスト
01. コードネーム U.N.C.L.E.(2015年)
お知らせ:ブログタイトル変更を変更しました/2016年11月
ノンフィクション『暗号解読』感想
サイモン・シン、青木薫によるノンフィクション『暗号解読』を読み終えまして、感想を綴ります。
暗号解読
文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話…。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ。
(「BOOK」データベースより引用)
2010年代の暗号に関する話題といえば、本作下巻に紹介されている「量子暗号」だったり、またはコミュニケーションアプリ「LINE」で芸能人のやり取りが流出したり、暗号解読者の人生を描き、数々の映画賞を受賞した『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』だったりします。暗号はその特性上、表舞台に出ることを嫌う傾向があるかもしれませんが、現代においてその重要性は、一般の人々にとっても無視できない存在になってきているのかもしれません。
続きを読むどうか無事でいてほしい/映画『オデッセイ』感想
映画『オデッセイ』あらすじ
火星にたった独り取り残された宇宙飛行士。スリリングで型破りで壮大なサバイバル! 無事に地球に帰還できるのか?人類による有人火星探査ミッション<アレス3>が、荒れ狂う嵐によって中止に追い込まれた。ミッションに参加した6人のクルーは撤収を余儀なくされるが、そのひとりであるマーク・ワトニーは暴風に吹き飛ばされ、死亡したと判断される。しかしワトニーは奇跡的に生きていた。独りぼっちで火星に取り残され、地球との交信手段もなく、次にNASAが有人機を送り込んでくるのは4年後。サバイバルに不可欠な食糧も酸素も水も絶対的に足りない。そのあまりにも過酷な現実を直視しながらも、ワトニーは決して生き延びることを諦めなかった。やがてワトニーの生存を知って衝撃を受けたNASAや同僚のクルーは、地球上のすべての人々が固唾をのんで見守るなか、わずかな可能性を信じて前代未聞の救出プランを実行するのだった……。(映画『オデッセイ』オフィシャルサイト・ABOUT THE MOVIEより引用)
SFは未来の出来事/アニメ『Dimension W』感想
2016年4月から放送されていたアニメ『Dimension W』全12話を見終えたので、遅れながら感想を綴ろうかと思います。
アニメ『Dimension W』あらすじ
西暦2072年。
第四の次元「W」から無限のエネルギーを取り出せる「コイル」により
人類は繁栄の極致にあった。
しかしその裏では、正規外のルートから入手した「不正コイル」を使った犯罪が発生し、
回収に賞金首がかけられるようになった。
腕利きの“回収屋”マブチ・キョーマは、ある依頼の中で謎の少女ミラと出会う。
かつてコイル事故ですべてを失ったキョーマと、自分の出生の秘密を探るミラは、
共に「コイル」の真実を追うことになるが……。
(Dimension W・公式ページより引用)
「もし無限のエネルギーがあったら?」というアイデア先行型の近未来SFアクションものです。主人公のキョーマは中年のおじさん(既婚)であり、相棒の少女ミラはアンドロイドなので、ラブストーリーの側面はなく、コメディの要素も少ないです。「コイル」を探すという主な目的からハードボイルドの色が濃いです。
感想を一言でいうと、残念なアニメです。
いくつかの理由があるものの、大きな原因の一つに「SF=未来の出来事なのに真実=過去ばかり追っている」という点があると思います。「コイルとは何か?」「事故の真相は?」「自身の出生は?」というのは劇中のキャラクターにとっては重要事項ですが、傍から見れば「ただ昔話を広げている」感覚で聞こえてきます。
あとはコイルをはじめとする作中の未来技術の説明や演出が分かりにくいです。たぶん話数が限られているので、説明や解説のシーンは省略する、もしくは短いセリフで“説明したことにする”しかなかったのかもしれません。
続きを読む2016年9月の読書リスト
01. 死神の浮力(伊坂幸太郎)
『死神の精度』(2004年・第57回日本推理作家協会賞・短編部門受賞)の続編にあたる、“死”をテーマに据えつつ、軽妙な会話劇が炸裂するエンターテインメント・ミステリーです。個別記事を作成しました。
真摯な愛情/映画『思い出のマーニー』感想
映画『思い出のマーニー』(2014年)を見まして、その感想を綴ります。
思い出のマーニー
チェック:『借りぐらしのアリエッティ』などの米林宏昌が監督を務め、ジョーン・G・ロビンソンの児童文学を映画化したファンタジーアニメ。北海道を舞台に、苦悩を抱えて生きる12歳の少女杏奈と彼女同様深い悲しみを心に宿すミステリアスな少女マーニーとの出会いを描写する。『ジョーカーゲーム』などの高月彩良と『リトル・マエストラ』などの有村架純が声優を担当。主人公たちの目線で捉えた物語に心打たれる。
ストーリー:心を閉ざした少女杏奈は、ぜんそくの療養を目的に親戚が生活している海沿いの村にやって来た。そんなある日、彼女の前に誰もいない屋敷の青い窓に閉じ込められた、きれいなブロンドの少女マーニーが姿を見せる。その出会い以来、杏奈の身の回りでは立て続けに奇妙な出来事が起きるようになるが、それは二人だけの秘密だった。
(「シネマトゥデイ」より引用)
見る前から不安要素がいくつかありました。
- 1960年代のイギリス児童文学を、2010年代の日本に舞台設定を移しているということ。
- ポスターやPVから見受けられるレズビアン的雰囲気。
- 暗めなストーリーで、エンタメ要素が少なそうなところ。
自分は、邦画ならオリジナル脚本か、日本が舞台の原作を基にした作品の方が好みである場合が多く、ヘテロセクシャルなので同性愛への感受性は低く、やっぱり映画は楽しいものが見たいと思っています。『思い出のマーニー』はそのポイントをことごとく外していて、地上波放送(2015年)も録画したままそのHDDがどこかへ消えてしまい、結局のところ「見るか見ないか」問題は放置していました。
でもやっぱり見る決心をしました。理由は、地元のTSUTAYAのアニメ新作コーナーの隣がジブリコーナーで、そこで『思い出のマーニー』(旧作)は表紙を向けて大きなスペースを取りつつも貸出中の状態が多かったからです。
続きを読む乙種第4類危険物取扱者/資格受験記
危険物取扱者乙種第4類
甲種危険物取扱者は全類の危険物、乙種危険物取扱者は指定の類の危険物について、取り扱いと定期点検、保安の監督ができます。又甲種もしくは乙種危険物取扱者が立ち会えば危険物取扱者免状を有していない一般の者も、取り扱いと定期点検を行うことができます。丙種危険物取扱者は、特定の危険物(ガソリン、灯油、軽油、重油など)に限り、取り扱いと定期点検ができます。