AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

アニメ『リトルウィッチアカデミア』感想

 

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 2017年1月から放送されていたTVアニメ『リトルウィッチアカデミア』(全25話)を見終えまして、感想を綴ります。
 

アニメ・リトルウィッチアカデミア・あらすじ

幼い頃にシャイニィシャリオの魔法ショーを見て魔女になることを夢見たアッコはシャリオと同じ伝統ある魔女育成名門校「ルーナノヴァ魔法学校」に入学する。新しい町、新たに始まる学校生活、そして新たに出会う友達。
魔女学校の中でほうきの飛行授業や魔法にまつわる不思議な授業など、魔女学校ならではの授業の中でアッコやロッテ、スーシィたちが大騒動を巻き起こす!
ルーナノヴァを巻き込んだアッコの魔女への第一歩が今から始まる。
(TVアニメ『リトルウィッチアカデミア』公式サイト・Story・Introductionより引用)
 ちなみに、『リトルウィッチアカデミア』は2013年に短編アニメーションとして製作され(アニメミライ版)、さらには2015年に映画『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』が公開されました。今回のTVシリーズ版『リトルウィッチアカデミア』は完全新作であり、過去2作品を見ていなくても楽しむことができます(TVシリーズ版はアニメミライ版と映画版から設定が若干変更され、ストーリーも一部吸収した形になっている)。

 

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 なによりも映像が好きでした。『リトルウィッチアカデミア』(以下LWA)はCGっぽい絵よりも、昔ながらのセル画っぽいシーンが多く、往年のアニメファンを楽しませてくれました。そしてキャラクターの一挙手一投足も、普通ならばあり得ない身体のサイズ比であったり、あまりにも”しなやか”に動き回ったり、「アニメーション」というのを強く意識づける場面が多かったです。
 
 ストーリーは王道です。主人公の見習い魔女・アッコが魔法学校に入学して、そこで事件を起こしたり、試験の突破に苦労したりしながら成長する学園もの、熱血系青春ものといえます。一応、第一話で「シャイニーロッド」という魔法の杖を手に入れて、それに秘められた「7つの言の葉」を蘇らせるというわらしべ冒険ファンタジーな側面もあります。しかしなにか日常的な出来事や好奇心から偶然にも言の葉を得てゆく回が多く、最初は空気系っぽいほのぼのアニメだと思って気楽に見ていました。実際、第一クールでは独立したエピソードが多く、いくつかの話数を見逃しても十分楽しめる内容だったと思います。
 
 ポイントとしては、第一クールの終盤(12話・13話)でアッコの言の葉集めがより自覚的になるところが印象的でした。目標に向かって真剣に取り組むようになったわけですが、がんばりすぎるところもあり、なによりもまずLWA全体を包んでいた無邪気さが薄れたのが残念でした。とはいえ、第二クールでの物語の山場を作るためには必要な変化だったようにも思います。
 
 話によると、LWAそのものの構想が「新人アニメーターの成長過程」を模しているようです。実際に各話でも、ルーナノヴァと白い龍(第5話)での魔法学校の借金はアニメ制作会社の資金繰りの厳しさを彷彿とさせますし、昔ながらの魔法とデジタル機器を駆使した現代魔法はアニメーションにおける手書きとCGの対比と読み取れます。
 あとは主人公の成長を眺めていると、やっぱり自分が10代の頃、好きなものに好きなだけ打ち込んでいたのを思い出しました。そういう意味でLWAのストーリーはシンプルなファンタジーとして味わえますし、裏設定のアニメーターの成長譚、または見る人の過去の振り返りとしても受け入れることができます。
 
 少し残念なところといえば掴みが弱く、アニメの広告塔としてわかりやすいかわいさとか萌えとかがないところです。回を重ねることに世界観とか各キャラクターの魅力が深まってくるのですが、そのスピードがとても遅く、序盤で“切る”ことが多そうな気がしました。
 
 一番好きなシーンは、(ベタですけど)第二クールになって初めて新OPが流れるところです。『MIND COUNDUCTOR』のイントロとアッコ・ロッテ・スーシーの3人の手がセカイ的な9つの言の葉につながってゆくのは、すごく夢のあることだと思いませんか?
 

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 最後に、この『リトルウィッチアカデミア』の制作元であるTRIGGERの熱意がとても伝わってくる作品でした。まだまだ歴史の浅い会社(2011年設立)のようですが、名前は覚えましたので、これからも見ていて楽しいアニメを作ってもらいたいです。