AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

アニメ『Fate/Apocrypha』1クール目途中感想

 

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 アニメ『Fate/Apocrypha』(2017年夏)1クール目を見終えまして、感想を綴ります。

アニメ『Fate/Apocrypha』あらすじ

INTRODUCTION
 一族の悲願のため強奪した大聖杯を象徴に掲げ、魔術協会からの独立を目論む黒の陣営。彼らの野望を阻止せんと魔術協会によって招集された赤の陣営。ルーマニア・トゥリファスを舞台に、二つの陣営に召喚された英霊十四騎によって繰り広げられた聖杯大戦は、此度の大戦の監督役である赤の陣営のマスターの一人、シロウ・コトミネによってその様相を変える。
 大聖杯による全人類の救済を願うシロウ・コトミネ――“奇跡の子”天草四郎時貞。 ルーラーとして聖杯大戦の調和を願う――“聖女”ジャンヌ・ダルク。“竜殺し”の力をその身に宿し、己の願いの為剣を取る、何者でもなかった少年――ジーク。それぞれの願いの果てに、“外典”が紡がれる。
(TVアニメ「Fate/Apocrypha」公式サイト・WORLDより引用)

fate-apocrypha.com

 Fateシリーズの最新作シリーズアニメです。魔術師たちが英霊を召喚して聖杯戦争をするという主軸はそのままに、今作は「黒」の陣営と「赤」の陣営のチーム戦による「聖杯大戦」というのが大きな魅力です。

 ちなみに自分はFateシリーズをアニメ『Fate/Zero』しか見たことのない(原作ビジュアルノベルや小説を読んだことのない)"にわか”です。『Fate/Apocrypha』の小説も読んでいません(Wikipediaやウェブページ等でストーリーや設定は知っています)。

 

 率直なところ、あまり深く考えずかっこいい戦闘を追うならバッチリな内容だと思います。作画がとても安定していて、大戦が本格化してくる3話以降は必ずといっていいほど戦闘シーンがあります。一進一退の攻防に手に汗握ります。

 

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 他方、登場人物たちの関係性がとてもわかりにくいです。今回は両陣営合わせて14人のサーヴァントが召喚されているのですが、彼らのマスターの一部はほとんど登場しません。さらに両陣営は一枚岩ではなく、単独行動をする組もあるので人間関係・利害関係が複雑になってしまっています。確かにFateシリーズではストーリー中盤において、裏切り行為や敵味方の共闘、マスターとサーヴァントの再契約などが行われて状況が一新するのがまた魅力ではあるのでしょうが、その状況を楽しむためには前提として誰と誰が主従関係なのか、関係性は良好なのか否か、ということが重要になってきます。この辺りの深掘りができていなかったために、あるいは登場人物が多すぎて各キャラクターへの注力が少なくなってしまったためにドラマ性が薄れ、展開についてゆくのが難しくなっている感じがあります。とはいえ、1~2話目のような戦闘準備と人物描写に費やすシーンが多すぎても退屈になってしまうので、バランスが求められるところでもあります。各話の最初にこれまでのあらすじを挟んだり、回想シーンを増やしたりするとよかったかもしれません。
 主人公格であるジークくんがなんだかんだ脱走に成功してしまったり、セイバーの能力を得てしまったり、たぶんこれからも活躍してしまったりするのはご都合主義が強すぎますが、剣と魔術の世界なのだから許される範囲だと思います。ただ、中立を謳うルーラー(ジャンヌ・ダルク)が(けっこう最初から)ジークくんに肩入れしているのだけは解せません。

 

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 これからについて。1クール目では出番が少なかったのですが、2クール目になってようやく映るシーンの増えそうなサーヴァント・シェイクスピアに注目してゆきたいです。四大悲劇を1つとも読んだことがないのですが、彼のセリフは劇作品からの引用が多いらしく、そのセリフを聞いているだけでその言葉の奥深さを感じました。アニメでは声優さん(稲田徹)がセリフを当てているので、よりその意味や音感が際立っています。単純に、アニメを見ていて、セリフを聞いていて気持ちいです。次のシーンではどんなセリフを喋るのかワクワクします。できれば原作から少しだけ修正して、シェイクスピアのシーンを増やしてもらえないでしょうか?