AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

西尾維新 大暮維人『化物語(6)』書評感想

 

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 原作:西尾維新 漫画・漫画原作:大暮維人による漫画『化物語(6)』を読み終えまして、感想を綴ります。 

 

 

あらすじ

阿良々木暦に突きつけられた、神原駿河との決定的な立場の違い。自らの甘さをどこまでも思い知った暦を襲ったのは、剥き出しとなった駿河の呪いのような“本音”だった……。「憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い」 西尾維新×大暮維人で贈るこれぞ新たな怪異! 怪異! 怪異! 青春は、ロックでハードな〈物語〉!
(講談社コミックプラスより引用)

 小説『化物語(上)』の「するがモンキー」の後半、および『化物語(下)』の「まよいスネイク」の冒頭が描かれています。ヒロインの1人である神原駿河の怪異譚が終わりを迎え、新たなヒロイン・千石撫子とのストーリーが始まります。

感想

 この漫画版第6巻を小説版やアニメ版と比較して話を進めてゆきます。

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 ストーリーは変わらないのですが、神原駿河の心情や阿良々木暦の位置づけをより鋭く描いていて、アニメ版にはない深みや新解釈が感じ取れます。一方、レイニーデビルとの戦闘においては線の流れを多用したスピーディでスタイリッシュなものになっており、また怪異の力により体の一部が妖怪変化していてファンタジックさも増していると思います。
「するがモンキー」はこの巻で完結するのですが、漫画版の神原駿河はより快活な印象で、それに引っ張られた影響なのか、ハッピーエンドな読後感が強く残りました。 

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「なでこスネイク」の冒頭、阿良々木暦と神原駿河が山の上にある神社に向かうシーンでは2人の会話劇が繰り広げられますが、ここで漫画版独自のトークが展開されます。神原駿河のキャラクターを考慮しての”ありそうな”内容ですが、小説版やアニメ版より性的な中身が多い印象です。 

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 千石撫子との邂逅と回想もありますがほんの少しで、小説やアニメ版に従ったオーソドックスなものです。ただ比較してより苦しそうで薄幸そうな描写だと思いました。
 直江津書店に場所を移したところで本巻は終わり、千石との本格的な会話は次巻(第7巻)に持ち越しです。

 

まとめ

「するがモンキー」はアクロバティックなシーンが多く、漫画版ではそれを存分に活かして描ききっている印象です。ほぼほぼ3巻分(第4~6巻)を使っての少し冗長な感じもありますが、レイニーデビルの描写などは今までと違った<物語>シリーズの良さを引き出している側面もあり、総じて良かったと思います。
 一方、「なでこスネイク」はスロースタートな感じで、少し心配な印象です。アニメ版ではその絶大な可愛さで人気を誇った千石撫子ですが、漫画版ではどう描かれるのかに注目してゆきたいところです。

 

化物語(6) (KCデラックス)

化物語(6) (KCデラックス)

  • 作者:大暮 維人
  • 発売日: 2019/07/17
  • メディア: コミック

 

化物語(6)特装版 (講談社キャラクターズA)

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