AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

2018年10月の読書リスト

 

 

ドン・タプスコット レックス・タプスコット 高橋璃子 ブロックチェーン・レボリューション ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか 

クレイトン・クリステンセン(『イノベーションのジレンマ』)、スティーブ・ウォズニアックApple共同創設者)、マーク・アンドリーセン(Facebook取締役)、ダン・シュルマン(ペイ・パルCEO) らが激賞! ビットコインフィンテックを支える技術「ブロックチェーン」解説書の決定版。

ダイヤモンド社より引用)

www.diamond.co.jp

 仮想通貨よりもその基盤技術である「ブロックチェーン」に注目していて、政治やアートの可能性まで論じているのが特徴の一冊です。ブロックチェーンの仕組みや素晴らしさは分かるのですが、実際にマイニングに参加したり、自らが新しいブロックチェーンを始めたりすることはできません。観念的で実行力には欠けるのが残念です。

 

恩田陸 ドミノ 

些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作!
一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。下剤を盛られた子役の麻里花。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。昼下がりの東京駅、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが倒れてゆく!
KADOKAWAより引用)

www.kadokawa.co.jp

 最初は無関係な人々が、ストーリーの進行に従って一カ所に集まってゆくグランドホテル形式のコメディ小説。どうしても結末ありきで書かれている雰囲気があってイマイチでした。後に刊行されている伊坂幸太郎氏の『ラッシュライフ』の方が好みです。 

 

矢吹健太朗 Code:000 ダーリン・イン・ザ・フランキス

移動要塞都市同士の燃料交換を狙って、叫竜の大群が迫る。かつてない規模の戦いを前に、沸き立つコドモたちだったが、ヒロの身体は2回の戦闘で限界を迎えていた。さらにゼロツーには帰還命令が下ってしまう。引き止められなかったヒロは…
(S-MANGA集英社より引用)

www.s-manga.net

 アニメ版だとエピソード5~6辺りの内容です。「9's(ナインズ)」が早い段階で絡んでくるので、以降の展開では彼らの活動がより詳しく描かれる雰囲気を受けます。戦闘シーンも着替えシーンも少なめで残念ですが、ピスティルとフランクスを組み合わせた素晴らしい特別イラストが挿まれています。

 

宮下奈央 羊と鋼の森 

第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成! 日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!
ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った感動作。
解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。
(中略)
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
文藝春秋BOOKSより引用)

books.bunshun.jp

 ピアノ調律師の成長を描く純文系小説です。音楽とかピアノとか調律師とかに興味がなくても、しっかりした描写でその世界に惹き込んでくれます。興味のある人や業界人ならなおさら満足できるほどの奥行きもあります。結末にやや尻すぼみな感覚が残るところだけスッキリしませんでした。

 

川原礫 ソードアート・オンライン16 アリシゼーション・エクスプローディング 

アリシゼーション≪アンダーワールド大戦≫編、緊迫!
人界暦三八〇年十一月。アンダーワールド全土を混沌に巻き込む≪最終負荷実験≫の幕が上がる。
黒神ベクタことガブリエル・ミラー率いる侵略軍50,000に対するは、整合騎士ベルクーリ率いる人界守備軍3,000。
≪霜鱗鞭≫のエルドリエ、≪熾焔弓≫のデュソルバート、の副団長・≪天穿剣≫のファナティオら整合騎士は、数的劣勢を跳ね返すべく奮闘を続けるが、敵軍の尖兵たる山ゴブリン族は奸計を用いて防衛線をすり抜け、後方の補給部隊を狙う。心神喪失状態のキリトを守る少女練士ロニエとティーゼに危機が迫る。
更に、侵略軍一の奸智を誇る暗黒術師ギルド総長ディー・アイ・エルもまた、恐るべき大規模術式によって守備軍の殲滅を図る。対する守備軍の総指揮官、整合騎士長ベルクーリがとった作戦とは……。そして、現実世界からアンダーワールドへログインしたアスナの行方は――!
電撃文庫より引用)

dengekibunko.jp

 アンダーワールド後半部の2巻目に突入して、”ハーレム状態”になっても目覚めないキリトと、戦時下で敵味方のキャラクターが淡々と退場していくのに結構イライラする巻でした。それともしかして、アリスは他者に助けられた時のみ禁忌目録を破れるため、1人だと完全人工知能にはなれないのではないか?、と考えさせられました。

 

前野ウルド浩太郎 バッタを倒しにアフリカへ 

バッタの群れは海岸沿いを飛翔し続けていた。夕方、日の光に赤みが増した頃、風向きが変わり、大群が進路を変え、低空飛行で真正面から我々に向かって飛んできた。大群の渦の中に車もろとも巻き込まれる。翅音は悲鳴のように重苦しく大気を振るわせ、耳元を不気味な轟音がかすめていく。このときを待っていた。群れの暴走を食い止めるため、今こそ秘密兵器を繰り出すときだ。さっそうと作業着を脱ぎ捨て、緑色の全身タイツに着替え、大群の前に躍り出る。「さぁ、むさぼり喰うがよい」
(光文社より引用)

https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334039899

 若手昆虫学者の研究奮闘記です。ブログ調の文章でサブカルチックな章立(ドラクエエヴァなど)なので、昆虫やアフリカに興味がなくても分かりやすくて面白いです。研究者のキャリアの参考にもなります。挿入されているバッタの写真に多少の戦慄を覚えますが、総じて良い一冊です。

 

モーリス・メーテルリンク 江國香織 宇野亜喜良 青い鳥 

江國香織・新訳 オールカラー愛蔵本! 宇野亜喜良・装幀&カラー挿絵20点。
ノーベル賞作家メーテルリンクの名作戯曲を、現代の名文家・江國香織が小説に。
クリスマス・イヴの夜、幸せの青い鳥を探す旅に出たティルティルとミティル。同行者は犬や猫や光や水や砂糖たち。夜の城で、幸福の館で、未来の王国で、兄弟が目にするこの世界の本当の姿とは。幸福の意味を問う寓話を江國香織が甦らせる。
※Alexander Teixeira de Mattos による英訳書 The blue bird: a fairy play in six acts(1911年刊)を底本としています。
講談社BOOK倶楽部より引用)

bookclub.kodansha.co.jp

 ティルティル(チルチル)とミティル(ミチル)が青い鳥を追い求めて様々な場所を巡る、大人の児童文学です。幸せはまず探し始めなければ見つからない、という”積極的幸福論”とも読めますし、幸せは身近なところにある、という”消極的幸福論”とも読めて奥の深さを感じました。