AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

PS4ゲーム『ドラゴンクエストⅪ 過ぎ去りし時を求めて』感想

 

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 PS4ゲーム『ドラゴンクエスト過ぎ去りし時を求めて』をクリアしたので感想を綴ります。
 

ドラゴンクエスト過ぎ去りし時を求めて・あらすじ

 シリーズの「新たなる原点」となる11番目の冒険が、今ここに始まる。 
ドラゴンクエスト」シリーズ11番目となる本編最新作は、シリーズの原点に立ち返り「勇者」の冒険を描いた物語。
 PlayStation 4ならではの美しく広大なロトゼタシアの世界。息遣いまでも感じられるような、フィールドに生息するモンスターたち。“懐かしさ"と“新しさ"を兼ね備えた、シリーズの「新たなる原点」となる11番目の冒険、『ドラゴンクエストXI』がいまココに!
 
──そして、勇者は悪魔の子と呼ばれた
 
 主人公であるあなたが16歳の誕生日をむかえる日。村のしきたりである成人の儀をおこなうため、幼なじみのエマとともに神の岩へと向かったが、とある出来事がきっかけで、自らが伝説の「勇者」の生まれ変わりであることを知ることになる。
 
「勇者」とは何なのか。
 
 その答えを求めて、あなたは故郷を離れ、未知の世界へと旅立つ。しかし、若き勇者を待ち受けていたのは人々からの歓迎ではなく、“悪魔の子"と呼ばれ、追われる運命だった……。
Amazon・商品の説明より引用 
 ナンバリング作品としては『ドラゴンクエストⅩ オンライン』(2012年)から5年ぶり、キャラクターメイキングなどをしない“正統派”としては『ドラゴンクエスト空と海と大地と呪われし姫君』(2004年)から13年ぶりとなる、30周年記念作です。
 テーマは原点回帰であり、シリーズ初のマルチプラットフォーム対応となっています。
 開発元はスクウェア・エニックスPS4版開発はオルカ、全体プロデューサー:齊藤陽介、PS4版プロデューサー:岡本北斗、ディレクター:内川毅、ゲームデザイン・シナリオ:堀井雄二、キャラクターデザイン:鳥山明、音楽:すぎやまこういち、となっています。
 
 以下、『ドラクエⅪ』の感想です。
 ちなみにドラクエのナンバリングシリーズはⅠ・Ⅱ・Ⅴ・Ⅶ・Ⅷ・Ⅸのみクリア経験があります。 

 

ストーリー
まあまあ
「勇者」を題材とした古きよきストーリーです。主人公が勇者の生まれ変わりであり、世界を隅々まで冒険する王道RPGです。物語中盤で世崩壊が起こり、これまでの街やダンジョンを再訪する展開は世界観を深める一方で、マップデータの使いまわし感もあります。クリア後に「過ぎ去りし時を求めて」タイムスリップする流れは、主人公の一強状態が爽快ではあるものの、仲間関係や世界観の修復に強引さが残り、人によってはイマイチ受け入れることができないかもしれません。“ループもの”としてはそれなりにまとまっている印象です。過去のナンバリングシリーズとの結び付きが強く、オールドファンへのサービス精神が多く盛り込まれています。
 
キャラクター
少し弱い
 

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 主要キャラである魔法使いのベロニカや旅芸人のシルビアにはしっかりとした個性があり、武闘家のマルティナや老人のロウには冒険する確固たる理由があります。主人公のおとなしさはよしとして、盗賊のカミュや僧侶のセーニャにはもう少しキャラクター性があった方がよかったと思います。各地での固有名を持つイベントキャラもモブキャラの使いまわしが多く、魅力も薄いです。 またせっかくの高画質を実現しているのに、それを存分に活かした服装をしているキャラクターが少ないのも残念です。悪事を働く登場人物については、根っからの悪人は居らず、人間味を感じます。
 
システム
ひどい
 なによりもフィールドカメラワークが悪いです。画面酔いを起こしやすく、壁際や樹木の近くでは自身のキャラクターがどこに居るのかわかりにくいです。戦闘での新システム「ゾーン」・「れんけい」は運要素が多く、戦略に組み込むことが難しいです。しかし以前までの「テンション」に比べると扱いやすく、またテンポも損なわないためそれなりに評価できます。
 魔物との戦闘終了時、マップ移動時、イベント終了時などの画面暗転時間は少し長めに感じます。武器・防具を素材アイテムから作ることができる新システム「鍛冶」はドラクエⅩからの転用なので新しいとはいえません。
 オートセーブ、レベルアップ時のHP・MP全回復仕様、既知のダンジョンマップ、どこでもMP0でルーラ可能など、今風な親切設計はいいと思います。
 
音楽
イマイチ
 オープニングから序盤までのオーケストラBGMは高ぶる冒険心をさらにその気にさせてくれます。過去作からのリメイク曲が多く、裏を返せば新規曲が少ないため後半の感動は薄いです。
 SEもそれほど作り込まれておらず、印象には残りません。
 
グラフィック
及第点
 リアルさを追求しない、適度にデフォルメされたキャラクターにドラクエらしさを感じます。フィールドグラフィックも綺麗ではありますが、他の国内外のPS4ゲームと比較するとやや劣っている気もします。水の表現にはもう少し力を入れるべきだと思います。
 
ボリューム
ひどい
 まず世界が狭いです。船で外海へ出られるようになっても1~2時間で一通り巡り終えてしまい、開放感が一気に閉塞感に変わりました。町が少ないせいで同じ場所を往復するおつかいイベントが多数あり、さらに飽きやすくなっています。
 通常クリアには50時間前後かかります。PS4ゲームとして考えるなら普通かと思います。
 
その他
 PS43DSの2機種同時発売で微妙に違いがあるというのが、話題性抜群、購入者層への配慮、生放送配信で各々盛り上がると、今までありそうでなかったものにチャレンジしたという点で最も大きな功績だと思います。
 PS4版での魔物との戦闘はすべてシンボルエンカウントなものの、「はぐれメタル」などはシンボルモンスターのお供としてのみ現れるので、メタル系は事実上のランダムエンカウントになっています。過去のナンバリングシリーズで延々とレベル上げをしていた頃を思い出すような、懐かしい仕様が好感触です。
 キャラクターボイスが無いのは個人的にはよかったと思いますが、あった方がよかったと思う意見も理解できます。システムでON/OFFが選択できるのが最良でした。
 希望小売価格の8,980円+税はかなり強気な設定だと思います。
ふっかつのじゅもん」による”やや強くてニューゲーム”や公式設定による”縛りプレイ”など、いわゆる周回プレイも意識しているのは評価点です。
 

総評

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 ドラゴンクエストシリーズ30周年記念作にふさわしい内容でした。ドラクエシリーズをどれか3本でもプレイしたことのある人なら楽しめると思います。
 近年ではゲームのオンライン化は当たり前で、さらにはスマホゲームの隆盛やAR/VRゲームの台頭がみられますが、本作ドラクエⅪは見事なまでにオールドRPGを貫き通していて、その完成形だといえます。
 ただやはり、ドラクエ特有のテンポの悪さや興奮度の低さもそのまま引き継がれてしまった印象で、課題も多く残る内容でした。
 
 次回作「ドラクエⅫ」が何年後か、またどんな内容なのかできませんが、それまでに3度はクリアしたくなるゲームです。
 
 
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