AYUTANINATUYA

20代の工場作業員だってこんなことを考えている

映画『君の名は。』Blu-ray Disc

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 映画『君の名は。』のBlu-ray Disc(スタンダード・エディション)が届きました。
 

映画『君の名は。

見どころ:『星を追う子ども』『言の葉の庭』などの新海誠が監督と脚本を務めたアニメーション。見知らぬ者同士であった田舎町で生活している少女と東京に住む少年が、奇妙な夢を通じて導かれていく姿を追う。キャラクターデザインに『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』シリーズなどの田中将賀作画監督に『もののけ姫』などの安藤雅司ボイスキャストに『バクマン。』などの神木隆之介、『舞妓はレディ』などの上白石萌音が名を連ねる。ファンタスティックでスケール感に満ちあふれた物語や、緻密で繊細なビジュアルにも圧倒される。
 
あらすじ:1,000年に1度のすい星来訪が、1か月後に迫る日本。山々に囲まれた田舎町に住む女子高生の三葉は、町長である父の選挙運動や、家系の神社の風習などに鬱屈(うっくつ)していた。それゆえに都会への憧れを強く持っていたが、ある日彼女は自分が都会に暮らしている少年になった夢を見る。夢では東京での生活を楽しみながらも、その不思議な感覚に困惑する三葉。一方、東京在住の男子高校生・瀧も自分が田舎町に生活する少女になった夢を見る。やがて、その奇妙な夢を通じて彼らは引き合うようになっていくが……。
 BDが届く数週間前から、過去の新海誠作品を見返していました。『ほしのこえ』、『雲のむこう、約束の場所』、『秒速5センチメートル』、『星を追う子ども』、『言の葉の庭』です(全作品がNetflixで視聴できます)。
 
 中でも印象に残ったのは『秒速5センチメートル』です。この映画、10代の頃から毎年1回は必ず見て、その度に鬱になりかけていた記憶があります。映画館で『君の名は。』のために足を運ぶ前にも『秒速』を見ました。さすがに自分もアラサーになったこともあり、またその際には『秒速』の解説や考察が再燃していたこともあって、やや距離を置いて、フラットな気持ちで見ることができました。
 
 遅れましたが『秒速5センチメートル』とは、「魂の彷徨」を描いた作品といっていいと思います。魂という、そもそも存在のわからないものを、手の届かない少し先にあるように匂わせ、そしてその移ろいを映像にして、なおかつ1つの物語としてまとめている、というところが素晴らしいです。エンターテイメントでありながら芸術作品のようでもある『秒速』ですが、その結末が人によっては(自分にとっては)、どこか不完全燃焼であるわけです。だから次の作品(『星を追う子ども』、『言の葉の庭』)で『秒速』の続きを追ってしまいますし、もちろん『君の名は。』にもその残像を求めていました。

 

 そして去年の夏、『君の名は。』を見ました。映画のストーリーも絵もキャラクターも音楽もすべてが好きで、見ることができて本当によかったと思う内容でしたが、ただ1つショックだったのが、『秒速』的な魂の行方は完全に終わった、というところです。『君の名は。』の最後、主人公の瀧は夢の中で入れ替わっていた三葉と再会してしまい、このシーンがこれまでの旅の終着を告げています。これが本当に衝撃でした。なぜなら好きだった監督が「もう『秒速』は終わりました」といっているようなものなのですから。
 
 繰り返しになりますが、『君の名は。』を見ることができて本当によかったです。そしてその映画がとてつもないヒットになり、周りの人と同じ話題を共有できてさらに楽しむことができました。新海監督のシンデレラストーリーを追っていくのも快い気分でした。
 ただやっぱり、新海監督が『君の名は。』を作ったという事実がつらかったです。仮に別の監督が『君の名は。』に似た映画を作って、それを見たなら、『秒速』とは別の柱で考えることができて、どんなに楽だろうと思いました。
 
 そんな「『君の名は。』ロス」を経た後に見る『秒速』は、清々しいほどの鬱加減でした。
 
 
 話は冒頭に戻り、届いた『君の名は。』BDを見ました。
 まず、映画館で見るべき内容だと思いました。隕石が落下するシーンをはじめとして、大画面で映える場面が多い印象です。そして正直いって、この映画が国内興行収入250億円を達成するほどでもないような、あまりピンと来ない内容でした。ストーリーが適当すぎますね。ただなんといっても、序盤における「入れ替わってる!?」からの『前前前世 movie ver.』のシーンはこれ以上にないほどのハイテンションでしたし、他の歌が流れるシーンも浸りっぱなしで、改めていい映画だなと思いました。
 
 それと、劇場で見たときはそれほど聞き込んでいなかったのでそこまで意識できなかったのですが、RADWIMPSのサウンドトラック『君の名は。』との相乗演出に気を配ることができました。印象としてはかなりBGMに気を遣って作られていているように思いました。新しい曲が始まるときはイントロが大きくはっきりと流れて、そこから台詞や効果音が挿入されていく、あるいは台詞がなく映像とBGMがひたすら流れて印象的に(非言語的に)見る場面が多々ありました。
 
 自身が購入したスタンダードエディション版の映像特典では、
  • プロモーション映像集
  • 映画公開記念特番「新海誠・日本中がこの才能に恋をする。」
  • 英語主題歌版本編
  • 新海誠フィルモグラフィ

が収録されています。「新海誠フィルモグラフィ」では『ほしのこえ』から『君の名は。』までの各作品の受賞歴とPVがそれぞれ90秒ほどでまとめられています。なかでも『ほしのこえ』は、画面サイズの小さかったものが上手く編集されているのと、作品数が進むごとの映像の進化に驚かされます。

 映画記念公開特番については、おおよそ神木隆之介さんを通じての『君の名は。』の紹介および『秒速5センチメートル』の聖地巡りの旅番組です。「新海誠」という名前を知らなかった人に向いている内容です。少し気になったのは、宮水一葉を演じる市原悦子さんの発言です。
今の若者の状態を反映しているのかなと思って、切なかったです。
 ダブルミーニングだと思います(これ収録していいのだろうか)。
 

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 それと早期購入特典の特製フィルムしおりは、映画終盤、就活中の瀧くんが歩道橋で三葉らしき女性とすれ違うシーンです(『なんでもないや』が流れる直前のシーン)。
 開けたとき、「どこのシーン?」と思ってしまいました。もっとわかりやすいシーンを当てたかったです(とくに瀧くんがおっぱい揉んでいるカットとか)。
 
 BDで見てみると、御神体のクレーターが映るシーンには『星を追う子ども』を、瀧くんが一生懸命に建物のスケッチを描いているシーンには『言の葉の庭』を、物語終盤で瀧くんが大人になって、スーツを着て雪降る中を歩いて行くシーンにはやっぱり『秒速5センチメートル』を重ねてしまいます。そういうゆったりとした感覚が抱けるのは、DVDやBDで見る特権だと思います。『君の名は。』を見ることができてよかったです。新海監督にはこれからも、過去作品と見比べても楽しい映画を作ってもらいたいです。