映画『セブンデイズリポート』(2014年)を見まして、その感想を綴ります。
セブンデイズリポート・あらすじ
チェック:「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメンバーの白濱亜嵐が映画初主演を飾り、一人二役をこなしたSF青春ドラマ。あるきっかけで出会ってしまったクローン人間と彼のオリジナルが、必死に厳しい現実に立ち向かう姿を描き出す。主人公の憧れのマドンナを『はじまりのみち』などの山下リオが演じ、教師役を監督としても活躍する板尾創路が務める。自らの手で運命を切り開こうとする少年の若さゆえの無謀さや純粋さが胸を打つ。ストーリー:リョウタ(白濱亜嵐)は7日後に行われる高校の卒業式を前に、高嶺の花のミズキ(山下リオ)に告白しようとラブレターに悪戦苦闘していた。そんなある日の放課後、彼は偶然教師の田口(波岡一喜)のIDパスを拾う。そして思いがけず校舎内にある隠しドアの中にある研究施設を発見し、生徒全員が研究対象のクローンであると知る。(シネマトゥデイより引用)
「クローンもの」に「学園もの」をミックスした、ミクロなSFドラマです。正直いって、良いところよりも悪いところの方が多い本作です。
設定・物語
まず物語設定や展開に粗が目立ちます。クローンは教師のIDパスで研究施設に出入りできるほどセキュリティが適当です。百歩譲って、自身がクローンであることを知るところまでは許せても、クローンのオリジナルもすぐ近くで生活を送るというのは、あまりにも管理がズボラ過ぎます。なるべく同じ環境で生活させ、それでも生じる差異を検証していたのでしょうか? 結局、語られず終いとなってしまいます。
一方で、iPS細胞の話を持ち出し、(必要な臓器を作ることができるので)「クローンは必要なくなった」と研究室長は語りはじめます。iPS細胞の可能性として、そういう路線は面白いですが、ならばなぜ作中ではクローンを管理しているのか、という設定矛盾に陥ってしまいます。何事においても中途半端でした。
演技・配役
演技について、基本のレベルは低いものの、白濱が演じる好青年のクローンは及第点だと思います。一方で、冴えないオリジナルの2役目は、ビビりすぎというか、気持ち悪かったです。(映画を見たときは知らなかったが)白濱は「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメンバーということで、アイドル映画としての役割も背負っていることを考えると、一般には映されることのない言動をチェックできた点は、一部ファンにはうれしいことではないでしょうか。
ヒロインのミズキは、じつは自分が見ている間はずっと谷村美月が演じていると思い込んでいて(実際は山下リオ)、谷村美月っぽい可愛さに注視していました。自然で、誰からも反感を買うことのない無難な立ち振る舞いだと思います。
最後に
あとは、クローンの命は7日間しか持たない、という設定を、花びらを千切ってゆくことで表現するのは分かりやすいですし、タイムリミットが迫っているのに、クローンはただただオリジナルの役に立とうと献身的で、良い意味で、青春にありがちな視野の狭さを伝えてくれていました。それにタイトルが好きです。
結論、白濱ファンなら必見、SFオタクならお酒でも飲みながら気軽に見る必要のある一作です。