AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

事務所の整理

 

 自宅の一室にある事務所を整理しました。

 

 本題までの導入は長いです。

 まず我が家の家族構成について、(母方の)祖父・祖母、父・母、僕の5人暮らしです。祖父母は年金生活で、父は1年前まで建築関係の自営業を、母はその手伝いをしていました。しかし脳溢血により父が倒れ、一命は取り留めたものの、身体障害1級、知能障害3級が残りました。父の左半身は麻痺して、会話の受け答えにも怪しい部分があります。そして母は父の介護に明け暮れています。いわゆる老々介護です。

 

 それまでの介護生活はリビングで行っていました。父の自室と仕事場は2階にあったのですが、半身が動かなくなって階段を上り下りすることができず、また介護ベッドを置くスペースもなかったので、とりあえずリビングで、ということになりました。

 ですがリビングは色んな人が出入りする場所なので、父も他の人も、たぶん煙たがっていました。リビングのすぐ近くにキッチンと冷蔵庫があるのですが、僕が夜10時過ぎに冷蔵庫に飲み物を取りに行くと、すでに父が寝ているのでリビングに入ることがためらわれ、「なんで自分の家なのにこんな風にコソコソしないといけないんだ」とイライラしていました。

 こんな状況ではストレスが余計に溜まる一方だったので、時間を取って事務所を整理し、そこに介護ベッドや各種家電を移して、そこを介護部屋にする、ということをしました。

 

 事務所の整理といっても、パソコン機器と、製図印刷用の専用プリンタと、数々の書類を処分するだけでした。そういう単純作業を母と僕でやっていたのですが、黙々と動き続けるのが苦手な僕は、母にあれやこれやと訊きました。家計は大丈夫なのか? 父の状態はどうなってゆくのか? 10年後はどうなるのか? といった、正直いってきついことばかり尋ねました。一応、障害者年金が受給できたのと、母が始めたコンビニバイトの収入で家計はなんとか回っているらしいです(僕も給料の一部を家に入れています)。父の状態は、基本的には良くならなくて、認知症も進行してくる可能性があるとのこと。今のところは介護施設に入居しなくても大丈夫だが、もし必要になった場合には費用で首が回らなくなる、もし父が“健全に”亡くなっても、障害者年金も貰えなくなるので生活が苦しくなる、と返ってきました。

 

 端的に、将来に希望が持てません。僕自身の仕事の収入は多くないですし、それが多少は増えてくるだろう30代の給料は父の介護に費やされ、さらに40代は、父の介護で心身を患った母への、様々な費用に消えてゆく末路しか想像できません。独り身だったらどれほど楽だったかと思いました。でも、自身の老後を考えると、道徳的に介護から逃げてはいけない、ここで切り捨てると、人としてどこかズレてしまう予感もあります。この先を生きるために、どうすればいいのでしょうか?

 

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 12畳ほどの事務所は半分ほど片付き、そこに介護ベッドの設置も終わりました。でもその奥には、父が仕事で使っていた機器の一部が残りました。母が曰く、「父の症状が改善したら、また仕事ができるよう残しておく」とのことです。おそらく過去の仕事への名残惜しさもあるのでしょう。でも、もし仮に介護技術が進歩して、身体が自由に動かせるようになっても、一度壊れた心はそう簡単には治らないわけです。僕にできることは働きつつ、心身を大切にして生きてゆくだけです。