AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

『ラブライブ!』を知らなかった人のアニメ『ラブライブ! サンシャイン!!』感想

 

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 2016年7月から放送されていたアニメ『ラブライブ! サンシャイン!!』(全13話)を見終えたので、感想を綴ります。

 

アニメ『ラブライブ! サンシャイン!!』あらすじ

 静岡県沼津市の海辺の町、内浦にある私立浦の星女学院。
 駿河湾のかたすみにある小さな高校で、2年生の高海千歌を中心とした9人の少女たちが、大きな夢を抱いて立ち上がる。
 それは、キラキラと輝く“スクールアイドル”になること!
 諦めなければきっと夢は叶う――。いまはただ輝きを目指して、がむしゃらに駆け抜けていこう! ここから彼女たちの「みんなで叶える物語」が始まった!
ラブライブ! サンシャイン!! Official Web Site・ストーリーより引用)

 スクールアイドルという、学校内で結成されるアイドルグループが浸透した世の中で、学校存続のためにスクールアイドルを目指す少女たちの物語です。

 

 なぜ今まで『ラブライブ!』に手を出さなかったのかといいますと、いわゆる「ラブライバー」の問題行動を取り上げるニュースとかツイートとかを度々にチェックしたことで「見ず嫌い」になったからです。また『ラブライブ!』は視聴者参加型のコンテンツらしく、結構な時間や金額をつぎ込むかもしれない恐怖があったからです。

 でもラブライバーも時間経過により落ち着きを取り戻した感じですし、何より、いい年してアイドルに熱中できないのは残念だ、と考えるようになったところで、『ラブサン!!』が始まり、新シリーズを追うことにしました。

 

 自分は「μ’s」のことを知らなかったので、『ラブサン!!』の登場人物たちのようにスクールアイドルに対して憧れを持っておらず、なのでストーリー序盤は低いテンションで見ていました。ですが桜内梨子・松浦果南・国木田花丸といったキャラクターが、最初は別段スクールアイドルに興味がなかったけれど、スクールアイドルになってから自然とそれに熱中してゆく、という過程を新参者自身に重ねることですっかり作中の雰囲気に入り込めました。

 

 やっぱり初見のよさは、何かに対して過度の思い入れを持たずに内容を受け取ることができる、というところです。

 じつをいうと、『ラブサン!!』を数話見た後にμ’sのアルバムを聴き始めたり、wikipediaμ’sを調べたりと、たぶん作中のキャラクターと同じ行動を起こし始めました。μ’sの活躍を見てきた人はこれらのことをする必要はないと思いますが、新規の人には「分からないけど知りたいこと」といった断片的な情報が多く散りばめられていて、見る側がいつの間にか作中にのめり込んでゆく仕掛けがたくさんありました。
 

 全体的な印象として、『ラブサン!!』では”聖地巡礼”を意識した舞台・静岡県沼津市の背景がよく映えていました。しかし大まかなストーリーは(おそらく)『ラブライブ!』と同じであり、またキャラクターの魅力は数段落ちている気がしました。

 

 そんな中、『ラブサン!!』だけが持つポイントに「μ'sとの対比」があります。

 第3話「ファーストステップ」では、

「これは今までの、スクールアイドルの努力と、街の人たちの善意があっての成功ですわ。勘違いしないように」(黒澤ダイヤ)
「わかってます。でも、でもただ見てるだけじゃ、始まらないって。うまくいえないけど、今しかない、瞬間だから」(高海千歌)

という、本作のアイドルグループ「Aqours」は、あくまでμ'sの成功に便乗しているにすぎない、ということを主人公たちは意識しています。

 この問題意識への返答が、第12話でなされます。

「たぶん、比べたらダメなんだよ。追い脚気茶ダメなんだよ。μ'sも、ラブライブも、輝きも」
「μ'sのすごいところって、きっと何もないところを、何もない場所を、思いっきり走ったことだと思う。みんなの夢を、叶えるために」
「μ'sみたいに輝くってことは、μ'sの背中を追いかけることじゃない。自由に走るってことなんじゃないかな」(高海千歌)

 μ'sに対する盲目的な憧れから脱して、彼女らを尊敬しつつも、Aqoursは独自の魅力を発信してゆく。そんなことを決定付けた感動のシーンです。

 さらにいえば、Aqoursとμ'sが対面し、スクールアイドルについて語り合うシーンがあれば、さらによかったと思います。しかしそれだとμ'sのその後を語らなければならず、おそらくメンバーの”卒業”と向き合わなければならないので、実現はしなかったようです。

 

 惜しいところは最終回です。前半は私立浦の星女学院の生徒が全員で応援に行く云々の話で間延びし、さらに後半でライブステージに経っても、Aqoursの軌跡を辿る劇が長くて間延びしていました。シンプルに、メンバーはライブ前で緊張しつつもこれまでを回想して、盛大なライブシーンが挿入されて、ラブライブの結果が出て、エピローグとして学校のカットを数枚入れてほしかったです。

 

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 総じて、綺麗な自然と青春のエネルギッシュさで日頃の疲れを癒やしてくれるアニメでした。

 ちなみに自分は「ヨーソロー!」の渡辺曜ちゃんが1番好きです。彼女のアイドルシーンがもっと見たいので、続編をずっと待ってます。