AYUTANINATUYA

脱サラ大学院生(20代)。愛知県在住。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。ニコニコ生放送にてよく投稿記事を生執筆している。

野球における関係性/アニメ『バッテリー』感想

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 2016年7月から放送されていたアニメ『バッテリー』(全11話)を見終えたので、感想を綴ります。
 

アニメ『バッテリー』あらすじ

「原田巧」はピッチャーとして抜群の野球センスを持つ少年。父親の転勤を期に移り住んだ山あいの街、新田市で、巧は自分の全力投球を受け止められるキャッチャー「永倉豪」と出会う。
 新田東中学校の野球部に入部した二人は、部員同士の軋轢や、教師たち大人の事情に翻弄され、時には互いに衝突しながら、ピッチャーとキャッチャー、2人一組のバッテリーとして成長していく。
(TVアニメ「バッテリー」公式サイト・イントロダクションより引用)
 ちなみに原作小説は未読です。自身に野球経験もありません。
 
 端的にいって、良いところも悪いところもあるアニメでした。
 良いところ。スポーツ根性全開ではなくて、あくまで野球は、キャラクターの気持ちを表現する動作としてしっかり機能していました。小説なら、心情を書き連ねながら野球するのはそれほど難しくはないのかもしれませんが、アニメだと実際の一投一打をスポーツの動きとして追いがちになってしまいます。そこに気を配って、うまく内的描写ができていました。
 
 あとは女子生徒が1人も登場しないのが徹底されていました。原作小説には何人か登場して恋愛模様があるようですが、アニメではすべてカットされていました。尺の都合もあるかもしれませんが、何よりもアニメ『バッテリー』は、野球における関係性を描くことに集中している印象を持ちました(ちなみに校舎内のシーンもほとんどない)。すこしホモセクシャルな雰囲気もありましたが、友情の枠に収まる程度で不快感はなかったです。
 
 悪いところ。野球試合のシーンが淡々としているところです。主人公のバッテリー(原田・永倉)やライバル高の3年生たち(門脇・瑞垣)といった個別スケールでは、前述の野球描写は丁寧なのですが、第7話と最終話の試合のシーンでは心情よりも状況を映すこととなり、結果として実況のない淡泊な試合を見せられている感じでした。
 
 あとは主人公たちの周りの登場人物が、バッテリーに対して奉仕しすぎていると思います。ピッチャーの原田はドライな性格で、今時の中学生にも居そうな無関心を貫いているわけですが、その他のキャラクターが原田を助けすぎている気がします。たぶん「面倒くさい」「関係ない」「どうでもいい」といった言葉を並べて協力しなかったり、または原田を嫌ったりする中学生が居てもよかったと思います。そういうキャラクターとの交流を経て、原田くんには野球以外の面からも成長してほしかったです。
 

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 それとひとつ推しておきたいのが、EDの絵コンテです。担当の中村亮介氏は『四月は君の嘘』第1期OP『光るなら』などを演出した方です。察するに、水彩調と、夕焼夜空と、そして海辺が大好きな人だと思います。原作『バッテリー』の中だと野球に関するエピソードがどうしても多くなってしまうところが、ED『いつかの自分』(または『若者のすべて』)では非日常感ともいえる“非野球感”をうまく醸し出しています。
 
 物語に大きなカタルシスはありませんが、それを補うだけの安定した内容を含んでいます。原作『バッテリー』が好きな人はもちろん、リトルリーグや中高野球が好きな人は見るとより共感できるかもしれません。それとアニメ『バッテリー』では監督や保護者からの立場から描かれるシーンも多いので、野球をする子供を持っている親世代にも見てもらいたいです。