AYUTANINATUYA

脱サラ大学院生(20代)。愛知県在住。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。ニコニコ生放送にてよく投稿記事を生執筆している。

ヒルメス・ナルサス・アルスラーン/アニメ『アルスラーン戦記 風塵乱舞』

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 2016年7月から放送されていたアニメ『アルスラーン戦記 風塵乱舞』(全8話)を見終えたので、感想を綴ります。

 

アルスラーン戦記 風塵乱舞

 交易と肥沃な大地に支えられた大国パルスは、異教徒の国・ルシタニアの侵攻によって、一夜にして、その永きにわたる平和をおびやかされた。パルスとルシタニアの戦いにおいて、初陣にて大敗を経験し、帰るべき土地を奪われて亡国の王子となった少年・アルスラーンは、《マルダーン・マルダーン》「戦士の中の戦士」の異名を持つ最強の騎士・ダリューンと、たったふたりで奪われた王都エクバターナを取り戻すための旅を始める。

 そんな二人のもとに、ナルサスエラムギーヴファランギースジャスワント――過酷な戦いを切り抜ける中、力強い仲間たちが次々と集う。また、アルスラーン自身もさまざまな経験を積むことで、ただ守られるだけの頼りない存在から、周囲を守り導く存在へと、たくましく成長していくのだった。

 しかし王都は未だ遠い。シンドゥラの王位継承争いにまつわる戦いを無事乗り切り、パルスの土地へと凱旋したアルスラーンたちの前には、銀仮面の猛将・ヒルメスが立ちふさがる。そして、ヒルメスをなんとか退け、ふたたび王都を目指そうというときには、さらなる脅威がパルスの土地に迫っていた。

 今、新しい歴史の幕が開く。風塵の乱舞する戦場で、少年は何を見るのか……!

(アニメ「アルスラーン戦記 風塵乱舞」STORY・INTRODUCTIONより引用)

 田中芳樹による小説、および荒川弘による漫画を原作とした大河ファンタジー・アニメです。2015年4月に第1期が放送され(全25話+OAD1話)、『風塵乱舞』は第2期です。

 

(ちなみに自分は原作小説・漫画は未読です)

 

 まず第1期は、アルスラーン王太子と敵国の騎士見習いであるエトワールが和解します。そして騎士ダリューンをはじめとする主要キャラクターも再集結し、ペシャワール城塞から王都エクバターナ奪還へと旅立つ、というシーンで終わります。

 第2期の1話は、旅立ったペシャワール城塞が敵国に襲われていたところ、知らせを聞いたアルスラーン一行が舞い戻って撃退する、という幕開けを迎えます。1期分のストーリーをすべて思い返す程には整っていない構成でしたが、最初から戦闘シーンで盛り上がりつつ、仲間のおさらいもできる回になっています。

 しかし2話で、アルスラーン父親であるアンドラゴラス王が現れます。アルスラーンは家臣や兵士をすべて巻き上げられ、さらには事実上の追放命令を受けます。

 第3話になると、アンドラゴラス王の命に納得のいかないダリューン達は城塞を脱出し、アルスラーンと合流します。そして新たな軍勢を求め、王都奪還を目指す旅が再スタートします。

ご都合的に、アルスラーンが第1期と同様の戦力を持っていると展開がただのパワーゲームになりがちなので、この“武装解除”はある意味で必要だと思います。

 そして4話以降は港町ギランを目指して旅をして、そこで事件が起こる、といった流れになっています。

 

ヒルメスについて

 アルスラーンたちが戦闘や移動をしている間にも、平行して銀仮面のヒルメスの行動が描かれます。第2期のヒルメスの行動を整理すると、以下のことをしています。

・宝剣ルクナバードを手に入れるために墓荒らし(第1話)

・旅の途中にイリーナ姫との再会、および回想(第3話)

・処刑にされるイリーナ姫を救出し、ルシタニアと決別する(第6話)

・大司祭ボダンから宝剣ルクナバードを奪う(第8話)

 アルスラーンにとってヒルメスは大ボス級の1人なわけですが、そんな彼にも、誰かに支えられていた時代があったことが分かります。

 敵側の過去が明らかになると急に弱々しくみえるといいますか、超人クラスの実力が同情を抱ける立場まで落ちてきて、キャラクターの“負けフラグ”が立つ場合もあります。しかし作中のヒルメスはむしろ主人公然としていて、第1期では悪役・好敵手としての意味合いがかなり強かった彼にも、優しさや王の素質が垣間見えます。『風塵乱舞』ではヒルメスの登場シーンはそれほど多くはないものの、その中でとても印象の変わった人物だと思います。

 

ナルサスについて

 反対に、『風塵乱舞』で特にスポットが当たったのが軍師のナルサスです。物語中盤ではナルサスの旧友シャガードに再会するものの、シャガードは以前とは考え方が変わっており、やがてアルスラーン一行と対立することになります。

 ナルサスとシャガードは決別の対話を行い、剣を交えるわけですが、最終的にナルサスが勝利する結末に納得がいかなかったです。戦闘も、アズライール(鷹)のサポートがあっての勝利であり、ナルサスとシャガードの関係は一面的な勧善懲悪によって押し流されてしまった気がしました。この2人はより時間をかけて出た必然性によって話を進めてほしかったです。

 

アルスラーンについて

 アルスラーンは、第1期で相当にメンタルが鍛えられたためか、事件が起きても動揺することがなく、またシャガードやエトワール(ルシタニアの騎士見習いの金髪女性)にも救いの手を差し伸べるなど、ますます聖人化してきた印象です。しかし「王はどうあるべきか?」という根源的なテーマについてはそれほど触れられなかったこと、またアンドラゴラス王との親子の関係にもほとんど進展がなかったことから、個人的にはアルスラーンが成長しているようにはあまり感じ取れませんでした。

 

 OPの時点でワクワクしていたのですが、1期にはなかった海上戦を『風塵乱舞』では存分にやっていたことが、場面として相当に映えていたと思います。(放送の都合か?)全8話構成のために展開がやや急ぎ気味なのが残念でありつつも、いわゆる「俺たちの戦いはこれからだ!」の雰囲気で終わるので、第3期も当然に期待したい『風塵乱舞』でした。