AYUTANINATUYA

20代の工場作業員だってこんなことを考えている

カザフスタン製作SF/映画『ザ・ファントム』感想

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 映画『ザ・ファントム』(2015)を見まして、感想を綴ろうかと思います。

 

 まず『ザ・ファントム』について。

 チェック:人々の行動がIDシステムによって監視されている近未来を舞台に、テクノロジー“ファントム”をめぐり孤高の捜査官がし烈な戦いを繰り広げるSFアクション。各国の国民にIDシステム「GSコード」の装着が義務づけられる状況で、カザフスタンでGSコードを装着しない武装集団によるビル占拠事件が勃発。その事件をきっかけに、何者かに翻弄(ほんろう)されながらも戦う一人の捜査官の姿を描き出す。出演は、『ターミネーター3』などのクリスタナ・ローケンカザフスタン発の迫力満点のアクションに注目。

 ストーリー:近未来、増え続ける凶悪犯罪の対策に各国は巨大企業グローバル・セキュリティが開発したIDシステム・GSコードの装着を人々に義務づけ、国民の行動を監視するようになる。そんな中、カザフスタンで武装集団によるタワービル占拠事件が起こる。捜査官のティムール(サンザール・マディエフ)の活躍により事件は解決したかに見えたが、武装集団はGSコードを付けておらず……。

(「シネマトゥデイ」より引用)

 ID管理の近未来社会で、IDを装着していない人物が居て、それをきっかけにIDの真相を探ってゆく、という近未来SFアクションです。そしてまさかのカザフスタン製作です。ちなみに1996年製作の同名映画があるので間違えないよう注意が必要です。

 はっきりいって、典型的なB級映画です。設定も映像も物語も演出も穴だらけなのですが、それでもなぜか愛おしい要素もちらほらあるムービーです。

 お気に入りの点は、まず捜査官の主人公がアジア人(サンザール・マディエフ)というのはSFには珍しく、とても勤勉・真面目といった雰囲気で日本人の自分には好感が持てました。

 そしてパスクールとかフリーランイングと呼ばれる、街中を走ったり壁を飛び越えたりするアクションシーンが長い尺で流れるのですが、シンプルなアクションであり見ていて悪い気はしません。

 

 問題点はいっぱいあるのですが、特に挙げたいのがストーリーの“細切れ感”です。この映画は場面転換がものすごく不自然です。主人公たちがパラグライダーで着陸しているシーンだったのに、いつの間にか警官に取り押さえられていたりして、自分がいつの間にか居眠りしてしまったのではないかと疑う(そしてDVDを早戻しする)くらい唐突に切り替わります。元々は結構長いフィルムだったものが、大人の都合で仕方なくシーンをカットしたような場面がたくさんあります。行間は想像で補うしかないです。

 それと冒頭の舞台設定の説明で「GSコードが人の精神に異常を来す」ということを淡々と語っていましたが、それは明かしてはダメな類いの核心だと思います。むしろ後半になってようやく監視社会の真相が明るみに出る、人類は元々異常だが、コードで管理することでスクリーニング効果がはたらいてより鮮明になる、という展開の方が面白くなった気がします。

 あとは無駄に映像がグロテスクで、不快感だけが残る銃撃シーンが何カ所かあります。映像もなんとかまとまっているというレベルであり、CGや合成も簡単に見破れます。

 

 真剣に見るのは馬鹿馬鹿しいかもしれませんが、低予算映画特有の荒削りな感覚と、アジアSFを味わうにはちょうどよい内容だと思います。超期待作ばかりでなく、こういったマイナー作品も手にとりたい自分にはぴったりな映画でした。でもこれ一作ではなく、他にも安心して楽しめそうな他作とセットで見ることをオススメします。

 

 

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