猫町倶楽部・名古屋アウトプット勉強会という読書会の課題本で、
ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来』を読みました
そしてその内容をまとめてみました。
家庭か仕事か――あなたはまだ悩んでいる?モーレツサラリーマンも今は昔。
日本でも「組織人間」より「フリーエージェント」という働き方が確実に増えています。
その結果、家庭と仕事の融合が進み、税金や社会保障といった社会ルールも着実に
変化するなど、未来を見通し自分の生き方を考えるために最適の社会論がここに!
(ダイヤモンド社・内容紹介)
簡単にいうと、個人で働くことについての利点や問題点をまとめた内容です。
「フリーエージェントとは何か?」から始まり、FAが増加している社会背景、
その善し悪し、FAがもたらす社会変化の予想が書かれています。
まず全体の感想として、フリーエージェントについて上手くまとめられていますが、
ホワイトカラーが内容の中心であるにもかかわらず、ブルーカラーも(たぶん)含めた
統計を打ち出し、その数値を根拠に話を進めているのが良くないと思いました。
一方で、FAの働き方が自由に満ちていて、なおかつ危険も少ないと思えるほどに
しっかりした筋立てをしていました。(詳しくは本書を読んでください)
気になったところは、高齢になってもインターネットを駆使して仕事をする
【eリタイア】という考え方について、社会としては労働力不足を補い、
引退するはずだった本人も働く喜びが味わえるwin-winの関係に書かれていますが、
若者の立場で考えると、ベテランに仕事を奪われてしまう気がします。
eリタイアそのものは今後の動きとして普通のことだと思うので、
若者への社会保障でバランスを取ってほしいです。
あとは個人的なことに絡めますと、僕は今のところ就職活動中ですが、
この本を読んでもFA宣言しようとは思いませんでしたし、
会社で数年勤めた後に独立しようとも考えませんでした。
僕はメーカーの技術職を希望していまして、例えば化学プラントを1人で見守るのは
大変ですし、だからやっぱり大人数で働いた方が良いなと思い直しました。
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読書会では様々な世代や参加歴の男女が集まって感想を語り合いました。
まずはフリーエージェント・ネーション・クラブ【FANクラブ】について議論しました。
フリーエージェントはその孤独を補うために新しいグループに入るらしく、
それがFANクラブなのですが、ちょっと会費が高く、
「起業家ネットワークや退社した人同士の同窓会は日本でもあるのか?」
というアメリカとの背景の違いが気になったようでした。
あとは【真の組織図】というものが話題に上がりました。
会社には組織図があり、社長――副社長――総務担当……となっていますが、
これは旧来のタテ関係と課題本は指摘し、これに代わる真の組織図、
つまりは実際のつながり(ヨコの関係)を考慮した組織図を描くことが
成功のカギだと述べています。
現実の会社でこの真の組織図を書くのは簡単ではないですが、
考え方としてとても興味深いと評判でした。
本書の最後の方で企業規模は、規模の経済を活かした大企業とフリーエージェントの
二極化が進むと予想していますが、世の中は自然とバランスを取るはずで、
大企業とフリーエージェントの両方の良さを持った中小企業が出現するはずだと
僕は予想しまして、つまりはフリーエージェント社会は一時的だと考えるのですが、
これまでの経緯、これからの未来を理解するのに有効な一冊だと思います。
フリーエージェント社会の到来 新装版---組織に雇われない新しい働き方
- 作者: ダニエル・ピンク,序文:玄田有史,池村千秋
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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