AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

カフカ『城』感想

 ある程度に読書に慣れてきて、その批評を読んでいたり、読書家同士で会話していたりする際に、何気なく登場しやすいのはカフカの『城』だと思う。カフカは数多くの、登場人物たちがどれだけがんばっても報われない「不条理小説」を綴ってきたけれども、とりわけ『城』はそのタイトルの簡便さ、そして想像しやすい建築的なビジュアルも相まって、不条理小説の代名詞としてよく用いられている印象がある。
 そういった背景というか、先入観のようなものを抱きつつ、自分も『城』を手に入れて、読む気が起こるまで積んでおいたのだが、なかなか訪れなかった。単純にページ数が多く、また「つまらない」といった感想もよく聞くので、『城』に挑戦することへのメリットが見いだせなかったのだ。
 しかし、いよいよその時期がやって来た。私事ながら、会社を退職することになった。『城』のあらすじを読めば、現代エンタメ的な「お仕事小説」と読み解けなくもなさそうだ。こういった「働きもの」は実際に読む側も従事していると話が進みやすいだろう。そう考えて『城』を読み始めた。
 
城 (新潮文庫)

城 (新潮文庫)

 

  主人公のKは測量士で、舞台となる村に依頼を受けてやって来るのだが、手違いでその仕事がなくなってしまい、途方に暮れてしまう。そして住人たちの、正直いって興味の湧かない身の上話を延々と聞かされる。急速な場面転換と、誰が喋っているかも忘れてしまうほど長い語りとの緩急によって、主人公が人としておかしいのか、住民たちがどこかズレているのか、はてまて『城』を読んでいる自分自身が正気を失いつつあるのか、それすらもわからなくなってくる。

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放送機材・ソフト(2017年4月)

 鮎谷ナツヤです。生放送も80枠ほど行いまして、ようやく慣れてきた感じがします。
 今回は自分がニコニコ生放送で用いている放送機材とツールを紹介します。
 
 マイク
SONY エレクトレットコンデンサーマイクロホン ECM-PCV80U : PC向けボーカルマイク USB接続対応 ECM-PCV80U

 生放送を始めるにはniconicoのアカウントとマイクさえあればとりあえず行えるものの、必要最低限なものだからこそこだわりたくなるものです。

 しかしこのタイプのマイクは、正直いって使いにくいです。ノイズが入りにくいようにと、カラオケ店にあるようなボーカルマイクを選んだものの、単純に大きくて邪魔です。PCモニターやキーボードが見にくい。しかもマイクにある程度近づいて音を拾う設計になっているので、もちろんマイクから離れたら音声が届かない。一般人にはラジオ収録のように上半身を固定してマイクに向かって喋り続けるスキルがあるだろうか? 「歌ってみた」系などの音質が生命線の放送ならば一考の価値はあるでしょうが、雑談系ならば小さめのスタンドマイクかヘッドセットの方をオススメします。

PUBG・感想とメモ

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 steamにてPLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS、通称「PUBG」を購入したので、簡単な感想とメモを書き残しておきます。
 
PUBGとは
 PUBGとは、最大100人の参加者が8km×8kmの同じマップ内にパラシュートで降下して、時間経過ごとに生存可能領域を狭められながら落ちている銃器で殺し合いをしつつ、最後の1人(または最後の1チーム)まで生き残ることを目指すバトルロイヤルゲームです。
ゲームジャンルとしてはFPS・TPSに分類されますが、アクション要素も多く、また後述するゲームシステムからFPSが苦手な人でもプレイしやすい気がします。

Shadowverse・第一回AOD杯

 2017/5/28に行われた、ゆきちゃんねるさん主催のデジタルTCG【Shadowverse】オンライン大会「第一回AOD杯」に参加しました。
 ゆきちゃんねるさんのOPENREC.tvコミュニティは以下の通りです。
 
参加経緯
 数日前にマスターランクへ昇格し、改めて目標を定めるために、また自分の実力を計るために参加しました。あとは単純に、大会を通じて大勢の人たちと楽しく交流したいという思いでした。
 普段はよくネクロマンサーとビショップのクラスを使っていまして、それらを大会(BO3)でも用いようかと考えていました。しかし、参加直前になって以前から興味があったエルフへの思いが再燃し、急ピッチでデッキ構築とプレイングを磨こうとしていました。しかし大会はおろかランクマッチでも通用しない完成度だったので、結局はいつも使っているデッキを選択しました。

自作PC(2017年5月)

 以前からブログの更新や生放送に使っているデスクトップパソコンの調子が悪かったので、思い切って自作PCに挑戦してみました。
 結論から書くと、自作PCはそれほど経済的に有利ではないです。また、パソコンの構成を理解して、どれくらいのランクのパーツを揃えればいいのか見極めるのがとても大変でした。一方、組立はとても簡単で、半日で本体作製とソフトウェア等の設定を済ませることができました。
 
 さて、自作PCに掲げた目標は以下の通りです。
予算:15万円
スペック:core i7でオンラインゲーム【FINAL FANTASY 14】の推奨スペック
サイズ:micro-ATX以下
 新しいパソコンでやりたいことは、デジタルTCG【Shadowverse】をはじめとする非FPS系のPCゲームと生放送だったので、それに見合う性能を目指しました。
 各種PCゲームにはその動作が快適に行われる推奨スペックが公開されています。しかし、生放送という高負荷作業を同時に行うにはどれくらいのスペックが必要なのかわからず、目標立てに苦労しました。
 少しネットで検索してみたところ、FF14の生放送を行っている方が自身のPC構成を公開しており、どうやら推奨環境にやや上乗せする程度でよさそうだったので、結果としてFF14の推奨スペック、つまりは具体的な構成例として、
OS : Windows 10 Home 64ビット
CPU :インテル® Core™ i5 2.66GHzプロセッサー 以上
グラフィック(GPU) : GeForce® GTX 760 以上
メモリ : 8GB以上
HDD : 空き容量30GB以上

というのを考えました。

 
 また、自宅部屋が狭く、これから自作PCを超高性能化する予定もなかったので、中型であるmicro-ATX以下のサイズを目指しました。

Shadowverse・マスター昇格

 鮎谷ナツヤです。いつもデジタルTCG【Shadowverse】の生放送を見ていただきうれしいかぎりです。
 

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 放送内での暖かいコメント、プレイングミスの指摘、デッキ構築へのサポートもありまして、見事にマスターランク昇格を果たしました! 本当にありがとうございます!
 じつのところ、放送枠内では負けっぱなしで、夜中に1人コツコツとランクを上げていたので、見ている方々にとってはいつの間にかランクが上がっている感じだったかもしれませんが、これも生放送で高いモチベーションが保てたおかげです。
 中でもポイントだったのは、昇格戦にも用いた「ミッドレンジネクロ」デッキと、その中に含まれているフィニッシャーカード≪魔将軍・ヘクター≫です。AA0で燻っていたときに生放送にて「ヘクター当てたらネクロデッキ作る」と言いながら、一向にパックを引いても引いても当たらない日々が続きまして、「さっさとエーテルでヘクターを生成しろよ」というコメントが飛んできそうな状況でした。しかしそんな月日の中で4月末にヘクターを引き当て、アドバイスをもとに自分にぴったり合ったミッドネクロを作ることができました。あとはGWの余暇も利用して着実に対戦数と勝利を重ね、5/22という≪骨の貴公子≫ナーフを間近に控えた時期ながらも昇格戦を乗り越え、無事マスターの仲間入りができました。AA0からマスターまで40日ほどかかりました。

ニコニコ生放送

 ニコニコ生放送にて生放送を開始しました。
 コミュニティ「ナツヤチャンネル」はこちらです。 http://com.nicovideo.jp/community/co3576547

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  今のところはデジタルTCG【Shadowverse】のゲーム実況ばかりですが、これからの一応の方針としては、ブログの更新をしながらの雑談や、ラジオ放送みたいなものもできれば良いなと考えています。

  それと同時に、niconico内でブロマガも開設しました。こちらは基本的にニコニコ生放送に関連した事柄だけ投稿します。なのでこのブログとの共営は十分に可能だと考えています。もしかしたらブロマガ用の記事をはてなブログ用に少し修正して投稿するかもしれません。

Ghost of a smile

 大学でやるべきことはすべて終えて、もう卒業します。その期間のことを思い返すと、つらいことの多かった印象がありますが、1番つらいことがまだ残っていまして、それが、お別れをすることですね。
 一緒に居た友人や、支えてくれた先生・先輩方、親しんでくれた後輩に挨拶をするのは、それは悲しいことなのですが、これからはそれぞれが別々の道を歩んでいくでしょうし、各々の場所で活躍するはずですで、その区切りとしての別れは必要だと思います。
 ちょっと嫌らしい表現をすると、今までの人間関係を保ち続けるよりも、自身の望む生き方を選ぶ方が良さそうだから別れるわけですね。
でも、そういった心情をダイレクトに言い表すのは以外にも難しいものですし、伝えたところで周りの人のおおよそは不快に感じるだけなので、誰もが別れを悲しむのかもしれません。

 

 もっともらしい整理によって自分と、誰かとのつき合いは後腐れなく切れそうなのですが、本当に悲しいのは、自分自身と別れることです。

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お知らせ:退職しました/2017年4月

 鮎谷ナツヤです。
 久々の更新となってしまい、さらには突然のことになりますが、2017年3月末をもって会社を辞めました。
 これから時間をかけて少しずつ話をしてゆくつもりですが、簡単に説明しますと、大学に戻るために辞めました。
 大学での生活がシンプルに楽しみですし、ブログの更新も、その他に充てる活動時間も増えそうなので、不安よりかは期待の方が大きな心境です。
 
 以上、2017年4月のお知らせでした。

小説『二重生活』感想

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 小池真理子による小説『二重生活』を読みまして、感想を綴ります。
 

二重生活・あらすじ

 大学院生の珠は、大学時代のゼミで知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「何の目的もない、知らない人の尾行」の実行を思い立ち、近所に暮らす男性、石坂の後をつける。そこで石坂の不倫現場を目撃し、他人の秘密に魅了された珠は、対象者の観察を繰り返す。しかし尾行は徐々に、珠自身の実存と恋人との関係をも脅かしてゆき―。渦巻く男女の感情を、スリリングな展開で濃密に描き出す蠱惑のサスペンス。
(「BOOK」データベースより引用)
 普段はライトノベルやミステリーを読んでいて、こういう、恋愛もの・不倫ものは苦手なのですが、『二重生活』の予告編を見て、”学問”や”哲学”というワードが、比較的堅物な自分にも合いそうな気がしました。それに映画の出演キャストで登場人物のイメージもできあがったので、読み進めやすいと思って手に取りました。
 まだ、映画版は見ることができていませんが、後にチェックする予定です。

Evernote

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 以前まではMicrosoft Wordでブログの話を書いていたのですが、最近「Evernote」にツールを変えました。
 

 Evernoteというのは、パソコンやスマートフォン向けのデータ管理アプリです。例えばメモを保存すると、それが他のデバイスに同期されて開くことができます。必要に応じてタグ付けやソート機能もあり、ネットワーク上にデータを保存するので、記録の消失を心配する必要もありません。
 使い始めてそれほど日が経っていないので、自分も(他のブログを読んで)操作を勉強中の身ではありますが、かなり直感的にメモを整理することができ、なにより起動の早いところが気に入っています。

映画『セブンデイズリポート』感想

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 映画『セブンデイズリポート』(2014年)を見まして、その感想を綴ります。
 
セブンデイズリポート・あらすじ
 チェック:「GENERATIONS from EXILE TRIBE」のメンバーの白濱亜嵐が映画初主演を飾り、一人二役をこなしたSF青春ドラマ。あるきっかけで出会ってしまったクローン人間と彼のオリジナルが、必死に厳しい現実に立ち向かう姿を描き出す。主人公の憧れのマドンナを『はじまりのみち』などの山下リオが演じ、教師役を監督としても活躍する板尾創路が務める。自らの手で運命を切り開こうとする少年の若さゆえの無謀さや純粋さが胸を打つ。
 ストーリー:リョウタ(白濱亜嵐)は7日後に行われる高校の卒業式を前に、高嶺の花のミズキ(山下リオ)に告白しようとラブレターに悪戦苦闘していた。そんなある日の放課後、彼は偶然教師の田口(波岡一喜)のIDパスを拾う。そして思いがけず校舎内にある隠しドアの中にある研究施設を発見し、生徒全員が研究対象のクローンであると知る。
シネマトゥデイより引用)
「クローンもの」に「学園もの」をミックスした、ミクロなSFドラマです。正直いって、良いところよりも悪いところの方が多い本作です。

母に読書

 最近、母親に読書を勧めるようになりました。
 
 理由は、母が読む本を欲しているからなのですが、もう一方で、毎晩をスマートフォンのゲームアプリに熱中するのを食い止めたかった、という考えもあります。年を重ねることで新しい物事にチャレンジしなくなったり、即時的な快楽を求めがちになったりすることは理解していますが、あまりにも生活が硬直しすぎているといいますか、これから何十年もゲームに費やすのを見ていられない気分になったからです。
 

 ということで、母に合う本を勧めることになったわけですが、選ぶのが難しいです。

 単純に、世代や性別の違いで好みに違いがありすぎる、というのが大きな障壁です。僕の本棚には、伊坂幸太郎西尾維新森博嗣といった作家の小説が多いわけですが、これらは往々にして若い男性が好んで読む本であり、F3層にはあまり向いていません。

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)

 

 試しに僕の本棚を母親に眺めさせて、自由に本を手に取らせてみたのですが、結果、村上春樹の『1Q84』を選んでしまいました。母がどのような読書遍歴を辿って来たのかはわかりませんけど、おそらくそれほど熟練していない(そして村上春樹著作を一冊も読んだことのない)人がいきなり『1Q84』に挑戦したら、高確率で挫折します(実際に母も途中で投げ出しました)。

お知らせ:2017年あけましておめでとうございます/2017年1月

 鮎谷ナツヤです。ご挨拶が遅れましたが、2017年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 新年だからといって、日の出を見に行ったり、神社にお参りに行ったり、福袋を買いに行ったりすることもなく、ひたすら家に篭ってゲームをしていました。さすがに意識が低すぎたかなと、今更ながらに反省しています。
 
 新年にはその年々の目標を立てろと、じつは社長からも言われたのですが、しかし昔から、自分は目標を立てるのが苦手です。