AYUTANINATUYA

脱サラ・アラサー大学院生。日記と、趣味のゲーム・書籍・漫画などのサブカルを発信してます。

ドラマ『時をかける少女(2016年)』感想

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 2016年7月から放送されていたドラマ『時をかける少女』(全5話)を見終えたので、感想を綴ります。
 

時をかける少女(2016年版)

 ある日の放課後。理科実験室でラベンダーの香りを嗅いでから、少女は「時を自在に超える能力」を身につけた。そこから起こる不思議な出来事……繰り返す毎日……そして、未来からやって来た少年に抱く、初めての「恋心」。きっと、今年は忘れたくない「夏」になる。
 幾度となく実写映画化・アニメ化・舞台化されてきた名作『時をかける少女』。この作品は何十年たっても色あせることのない青春小説の金字塔。そして……発表されてから50年というタイミングで連続ドラマ化が決定!
 2016年版『時をかける少女』最大の特徴は史上初の試み…時をかける少女だけではなく、未来からやって来た少年ケン・ソゴルの目線からも同時に物語を描くこと。
 今まで描かれてこなかった未来人ケン・ソゴル。彼の感じた切なさや思いを描くことによって『時をかける少女』という物語が今、新しい魅力を持って生まれ変わる。
「時をかける」少女と少年、そして「淡い恋」と、「暑すぎる夏」……。
 この夏、誰もがあの日経験した、青春のもどかしさと切なさが蘇る。
時をかける少女・イントロダクションより)
 言わずと知れた名作ジュブナイルSFのリメイクドラマです。
 映画とテレビドラマだけでも(本作を含めて)『時をかける少女』は計9回も制作されています。
  1. 1972年 ドラマ(主演:島田涼子)
  2. 1983年 映画(主演:原田知世
  3. 1985年 ドラマ(主演:夏野陽子)
  4. 1994年 ドラマ(主演:内田有紀
  5. 1997年 映画(主演:中本奈奈)
  6. 2002年 ドラマ(主演:安倍なつみ
  7. 2006年 映画(アニメ監督:細田守
  8. 2010年 映画(主演:仲里依紗
  9. 2016年 ドラマ(主演:黒島結菜
 年々によってそれぞれの良し悪しがあるでしょうが、そういった部分が様々な世代で語られるのが『時かけ』の持ち味だと思います。
 そして忘れてはならないのが、世間一般に対してタイムリープという概念の浸透です。タイムリープ・タイムトラベル・テレポーテーション・タイムパラドックスパラレルワールドといった難しい専門用語を各少女はエネルギッシュさで内面に取り込んでゆきます。そして少女を通じて視聴者がタイムリープを理解してゆくのは、SFの基本教養に大きく貢献していることでしょう。
 一方、何度もリメイクされることでで、視聴者の中ではその代表格なるものが形成され、以降のリメイク作は厳しい比較に晒されます。なので以前の『時かけ』要素を継承しつつ、その時代特有のエッセンスを取り入れることが求められます。

管制塔/2016年11月の短文集

オンライン・フィルム・ストリーミング

 毎週末になるとTSUTAYAに足を運んでいるのですが、辞めようか迷っています。そしてHuluをはじめとするオンラインレンタルに切り替えようかと考えています。
 だいたい1ヶ月に1500円前後のお金と、店舗の往復と作品選別に約1時間をTSUTAYAに費やしている現状ですが、それが何だかもったいない気がしてきました。ならば自宅で気軽に選び放題・見放題のネットストリーミングの方が、数字としてはメリットが大きいわけです。
 歯止めをかけているのは、自分は映像や音楽を借りて楽しむのが好きなわけではなくて、TSUTAYAでどの作品を借りるか悩む自分が好きなのかもしれない、ということです。意味の分からないことを書いているかもしれませんが、あえて旧態依然の方法でコンテンツを手に取った方が、いざ見る・聴く場面になったときに、その熱意の入れ方によって感受性が高まっている、かもしれないということです。正直なところ、深層心理みたいなものなので分かりません、誰にも。
 もう少し現実的な事柄には、以下のものを並べ立てられます。
  • オンラインレンタル会社と契約するのが面倒くさい
  • torne(録画機器)があり、地上波放送番組は録画して視聴できる
  • 作品の配信が早い
  • コアな海外ドラマは見ない
 でもじつは、マイ「見たい旧作映画リスト」の本数が枯渇しそう、正しくはリストに載ってはいるが近所のTSUTAYAで取扱っている映画が少ないので、頃合いを見計らってネットレンタルに乗り換えようと思います。

キズナシステムとめんま/アニメ『キズナイーバー』感想

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 2016年4月から放送されていたアニメ『キズナイーバー』全12話を見終えたので、遅れながら感想を綴ります。

 

キズナイーバー

あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』など数多くの青春劇を手がけた岡田麿里が脚本を手掛け、キャラクター原案に漫画家・三輪士郎を、そして『キルラキル』『神撃のバハムート GENESIS』などで絵コンテ・演出を手掛けた若手実力派・小林寛を初監督に迎えて動き出した新プロジェクト。

 キズでつながるキズナの物語―。少年少女たちの「痛み」を分け合う青春群像劇がいま、始まる!!

 

 舞台は、埋立地に作られた街・洲籠市。かつては未来型都市として栄えたこの街に住む高校生・阿形勝平は、なぜか痛みを感じない不思議な身体を持っていた。夏休み目前となったある日、勝平は謎の少女・園崎法子の手引きにより、痛みを共有する仲間「キズナイーバー」の一人に選ばれてしまう。そして、同様に「キズナイーバー」として繋がれたクラスメイトたち。しかし、彼らは本来なら仲良くなることのない別々のグループに属していた。

 園崎は言う「これは、争いに満ちた世界を平和に導くための実験なのです。」その言葉とともに数々の試練が彼らに降りかかる。

 互いの傷を背負うことになった、少年少女たちのひと夏の物語がここから始まる!

(TVアニメ「キズナイーバー」公式サイト・STORY・#INTRODUCTIONより引用)

 突如として痛みを共有することになってしまった高校生男女による物語です。ストーリー要素を列挙するなら、オリジナル脚本、青春、SF、哲学系、といったところでしょうか。

 

 何よりもこのアニメ、掴みが素晴らしいです。登場するキャラクターの性格もよく分からないままに彼らは「キズナイーバー」にされて、いきなりの脱出ゲームが始まります。それだけ強引な展開なのに、魅力的なキャラクターデザイン、秘密が隠されていそうな街の雰囲気、象徴的な痛覚描写が、今後の想像を膨らませます。

 もちろん序盤だけでなく、話数が進む度にキズナの謎が少しずつ明らかになり、各キャラの内面が明らかになり、そしてより掘り下げた問題や事件が起こってゆきます。それだけ設定が作り込まれた王道的SFストーリーであり、なおかつ“共感”しやすいのが本作の特徴です。

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祖父の葬式

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 祖父が亡くなりました。満89歳でした。
 原因は、まず肝臓に8cmほどのガンがありました(半年ほど前に発見)。もう手術や薬物治療が手遅れなのと、肝臓の機能が低下したことから他の内臓の機能も低下し、体内に水分が溜まってゆきました。水分が溜まると痛いので食事が取れず、そのために身体機能がますます低下してゆき、結果として多機能不全であの世へ逝きました。
 
 二親等以内の死別は人生で初めての経験でした。しかし祖父とは生前からあまり話す機会がなくて、親戚一同が集まってもお互いに直接の会話はなかったですし、ある拍子に自分と祖父の2人きりになっても沈黙を貫いていました。
 
 ということで、結構な身内の立場でしたが、感情関係の希薄さと、持ち前の観察癖をもって葬式をずっと眺めていました。

小説『世界から猫が消えたなら』感想

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 川村元気による小説『世界から猫が消えたなら』を読み終えまして、感想を綴ります。
 

世界から猫が消えたなら・あらすじ

 郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。二〇一三年本屋大賞ノミネートの感動作が、待望の文庫化!
(「BOOK」データベースより引用)

 2016年には主演・佐藤健により映画化もされた、すこしファンタジックなヒューマン・ストーリーです。

 世界からモノを消すのと引き換えに、主人公である”僕”の寿命が1日延びるという悪魔の取引に応じ、実際に消失する瞬間、消失した世界を体験することで、日常に埋もれている大切なものを再認識してゆきます。
 ちなみにタイトルに『猫』とありますが、それは物語の象徴的な意味合いの単語であり、主人公が過度な猫愛好家というわけではありません。もちろん、猫や動物がそれほど得意でない人でも読み通せる内容になっています。
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2016年8-9月の鑑賞映画リスト

 邦画と洋画を1:1の割合で見ようと、ある程度の予定は立てているものの、実際に見るタイミングになると気分で種類や順番を入れ替えてしまいます。
 

01. コードネーム U.N.C.L.E.(2015年)

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 英米合作のスパイ映画であり、テレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』のリメイク映画です。バディものとしての軽妙な会話が心地好いはずなのですが、そのジョークの外国文化色が強くてよく分からないのが残念でした。

お知らせ:ブログタイトル変更を変更しました/2016年11月

 鮎谷ナツヤです。ブログタイトルを変更して、「AYUTANINATUYA」にしました。
 
 前の「ジュウシマツの歌BLOG」というタイトル、実際に鳥のジュウシマツを飼っていれば合っていたのですが、飼っておらず、その予定もありません。あるいは音楽を中心にした雑記ブログだとしたらぴったりだと思ったのですが、それほど音楽についての話をすることもなく、そもそもタイトルからブログの中身が分かりにくい気がしました。なので変えました。
 
 ブログタイトルにローマ字を採用している人は少ないようなのと、Google検索で引っかかりにくそうなところに不安を覚えますが、個人的にインパクトがある気がするのと、一応、ペンネームが鮎谷ナツヤなので、そのまま採用することにしました。
 
 記事内容はほぼ変わりませんが、これからもよろしくお願いします。
 
 
 以上、2016年11月のお知らせでした。

ノンフィクション『暗号解読』感想

 サイモン・シン青木薫によるノンフィクション『暗号解読』を読み終えまして、感想を綴ります。

 

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暗号解読

 文字を入れ換える。表を使う。古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。密書を解読され処刑された女王。莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話…。カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ。

(「BOOK」データベースより引用)

 2010年代の暗号に関する話題といえば、本作下巻に紹介されている「量子暗号」だったり、またはコミュニケーションアプリ「LINE」で芸能人のやり取りが流出したり、暗号解読者の人生を描き、数々の映画賞を受賞した『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』だったりします。暗号はその特性上、表舞台に出ることを嫌う傾向があるかもしれませんが、現代においてその重要性は、一般の人々にとっても無視できない存在になってきているのかもしれません。

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どうか無事でいてほしい/映画『オデッセイ』感想

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 映画『オデッセイ』(2015年)を見まして、その感想を綴ります。
 

映画『オデッセイ』あらすじ

 火星にたった独り取り残された宇宙飛行士。スリリングで型破りで壮大なサバイバル! 無事に地球に帰還できるのか?
 人類による有人火星探査ミッション<アレス3>が、荒れ狂う嵐によって中止に追い込まれた。ミッションに参加した6人のクルーは撤収を余儀なくされるが、そのひとりであるマーク・ワトニーは暴風に吹き飛ばされ、死亡したと判断される。しかしワトニーは奇跡的に生きていた。独りぼっちで火星に取り残され、地球との交信手段もなく、次にNASAが有人機を送り込んでくるのは4年後。サバイバルに不可欠な食糧も酸素も水も絶対的に足りない。そのあまりにも過酷な現実を直視しながらも、ワトニーは決して生き延びることを諦めなかった。やがてワトニーの生存を知って衝撃を受けたNASAや同僚のクルーは、地球上のすべての人々が固唾をのんで見守るなか、わずかな可能性を信じて前代未聞の救出プランを実行するのだった……。
(映画『オデッセイ』オフィシャルサイト・ABOUT THE MOVIEより引用)
 監督:リドリー・スコット、主役:マット・デイモンによる王道スペースサイエンスです。原作者アンディ・ウィアーによれば、「現代の技術でどうすれば火星に宇宙飛行士を送り、無事に帰還させられるか」を考えた”科学考証もの”だそうです。また、その原作小説『火星の人』(2011)が電子書籍での出版(99セント)からはじまり、ブームが起こってすぐさま映画化の企画が立ち上がる、という裏話も十分に興味深いです。つまり文系・理系といった垣根を越えて両者が楽しめる要素のある基板になっています。

漫画『四月は君の嘘』でオマージュ/小説『いちご同盟』感想

 三田誠広による小説『いちご同盟』を読み終えまして、感想を綴ります。

 

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いちご同盟・あらすじ

 中学三年生の良一は、同級生の野球部のエース・徹也を通じて、重症の腫瘍で入院中の少女・直美を知る。徹也は対抗試合に全力を尽くして直美を力づけ、良一もよい話し相手になって彼女を慰める。ある日、直美が突然良一に言った。「あたしと、心中しない?」ガラス細工のように繊細な少年の日の恋愛と友情、生と死をリリカルに描いた長篇。
(「BOOK」データベースより引用)

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SFは未来の出来事/アニメ『Dimension W』感想

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 2016年4月から放送されていたアニメ『Dimension W』全12話を見終えたので、遅れながら感想を綴ろうかと思います。

 

アニメ『Dimension W』あらすじ

西暦2072年。

第四の次元「W」から無限のエネルギーを取り出せる「コイル」により

人類は繁栄の極致にあった。

しかしその裏では、正規外のルートから入手した「不正コイル」を使った犯罪が発生し、

回収に賞金首がかけられるようになった。

腕利きの“回収屋”マブチ・キョーマは、ある依頼の中で謎の少女ミラと出会う。

かつてコイル事故ですべてを失ったキョーマと、自分の出生の秘密を探るミラは、

共に「コイル」の真実を追うことになるが……。

Dimension W・公式ページより引用)

「もし無限のエネルギーがあったら?」というアイデア先行型の近未来SFアクションものです。主人公のキョーマは中年のおじさん(既婚)であり、相棒の少女ミラはアンドロイドなので、ラブストーリーの側面はなく、コメディの要素も少ないです。「コイル」を探すという主な目的からハードボイルドの色が濃いです。

 

 感想を一言でいうと、残念なアニメです。

 いくつかの理由があるものの、大きな原因の一つに「SF=未来の出来事なのに真実=過去ばかり追っている」という点があると思います。「コイルとは何か?」「事故の真相は?」「自身の出生は?」というのは劇中のキャラクターにとっては重要事項ですが、傍から見れば「ただ昔話を広げている」感覚で聞こえてきます。

 あとはコイルをはじめとする作中の未来技術の説明や演出が分かりにくいです。たぶん話数が限られているので、説明や解説のシーンは省略する、もしくは短いセリフで“説明したことにする”しかなかったのかもしれません。

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事務所の整理

 自宅の一室にある事務所を整理しました。

 

 本題までの導入は長いです。

 まず我が家の家族構成について、(母方の)祖父・祖母、父・母、僕の5人暮らしです。祖父母は年金生活で、父は1年前まで建築関係の自営業を、母はその手伝いをしていました。しかし脳溢血により父が倒れ、一命は取り留めたものの、身体障害1級、知能障害3級が残りました。父の左半身は麻痺して、会話の受け答えにも怪しい部分があります。そして母は父の介護に明け暮れています。いわゆる老々介護です。

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